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こんにちは。いつも楽しみに記事を拝見しております。介護職として10年この仕事に従事して参りました。この10年は在宅生活を支える介護に就いており“介護家族”と接する機会も多かったです。本人を支えるはずなのに、家族の言葉に振り回される苦労や現実に辛酸をなめつつ、在宅だからこそ見えてくる家族との絆や愛なるものも目の当たりにしてきました。
私はこの仕事を始めてまだ間もないころ、家族会の代表をしている方から「あんたたち介護職は家族の敵なんだよ」と啖呵を切られたことがありました。
利用者ご本人のために、懸命に介護をしている自分たちが「敵」呼ばわりされたことに、怒りではなく、驚嘆したことを覚えております。しかし、その方との交流を深めるにつれて、私たち介護職が知らないうちに発している言動が、いかに介護家族を傷つけ、追いつめているのかということを知るようにもなりました。
KAIGO LAB さんでは、主に介護を頑張る“介護家族”向けの記事が多いですが、私のような介護職にも興味深い記事が多く、また介護家族の心情や置かれている状況を客観的に知るにも最良の学び舎だと思い、愛読させて頂いております。
今トレンドの介護離職(介護をする家族が介護を理由に離職する社会問題)ゼロ政策に対して「本人不在だ」「介護の理念を無視している」「働ける現役世代だけを守って、本人は姥捨て山の時代に逆戻りだ」等といきり立つ介護職も多いです。しかし、介護家族が置かれている環境や心情を客観的に知ることは大切な事であり、そういう意味でも KAIGO LAB さんの記事はとても有用です。
さて、そんな私が KAIGO LAB さんで好きな記事は『女神クーラの神話;人間とはケア(介護)をする存在である。』『進化生物学、ハミルトンの規則(利他的行動の規則)から介護を考えてみる』などのコラムです。
こうした介護やケアの本質を考える“そもそも論”の記事が好き理由は、私の小学生時代の友人の影響です。今は外資系の企業でバリバリ働いている彼から言われた言葉があります。
「介護とか福祉とか、必要だということは頭では理解できる。けど、おれたちが働いて生み出したものを再分配の名のもとに、なんの生産価値もない人間にほどこすことは納得が出来ない」
ある意味、今の政策を支える代表的な声なのだと思います。私はその時、友人を説き伏せることが出来なかったんです。「なんの生産価値もない人間に、なぜ、介護や福祉を行う必要があるのか」という命題に対して。
それ以来、そもそも私はなぜ介護をしているのだろうか、なぜ介護やケアは行われるのだろうか。といった哲学的な問いが関心の中心になっていきました。それはすなわち、介護を仕事とする私とは何者なのだろうか、という自己のアイデンティティや存在にまで視点を向ける関心事ということです。
そんな、ある種自己満足な欲求を満たすことと、仕事の実利になる情報が満載の KAIGO LAB さんには今後も大きな期待と応援をさせて頂きたいと思っております。
一つ気になることがあるとすれば、これだけの考察や情報を盛り込んだ記事をものすごいペースで公開されていることです。どうやっているんだろう、どうしたらここまで書けるのだろう。ペースが早すぎて読み損ねる記事もチラホラ。そんな KAIGO LAB さん自体への興味関心も持ちつつ、今後のさらなるサイトのご発展に期待するばかりです。一愛読者として、今後もこうした形でその発展に寄与させて頂けたら幸いです。
KAIGO LABでは、皆様からの投稿を受けつけています。全ての投稿が、そのまま掲載できるわけではない点についてはご理解ください。また、恐縮ですが、採用されても謝礼などは発生致しません。文言の修正やリンクの貼り付けなどは必要に応じてこちらで行います。内容はこちらでも検討させていただきますが、基本的に自由に書いていただいて構いません。内容がうまくまとまらない場合は(1)個人が特定できないレベルでの自己紹介(2)記憶に残っている記事とその理由(3)今後のKAIGO LABに期待すること、の3点について書いていただけたら助かります。これらの点をご了承いただいた上で、投稿をしていただける場合は、以下よりご連絡ください。お待ちしております。
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