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【介護の心理学7】ビッグ・ファイブ(big five)/ 性格5因子論

ビッグ・ファイブ(big five)/ 性格5因子論

ビッグ・ファイブ(big five)/ 性格5因子論とは?

人は、この社会で生きていく中で、個性を発揮して成功したり、またはそれが邪魔をして失敗したりもします。ですから、自らの個性について把握したり、他者の個性を理解したりすることは、とても大切なことと考えられてきました。

まず、個人の個性(パーソナリティー)は、平均からの「ズレ」として記述することができます。こうした個性についての研究には、多くの因子が提案されてきました。そうした研究が蓄積するにつれて、個性は、5つの因子(ビッグ・ファイブ / 性格5因子)によって記述できるという認識に統一されていきます。

5つの因子とは「情緒安定性(neuroticism)」「外向性(extraversion)」「開放性(openness)」「協調性(agreeableness)」「誠実性(conscientiousness)」です。これらの頭文字をとって、5つの因子分析のことをとくに「NEOAC」と呼ぶこともあります。これらは、主に心理学・生物学・社会学といった学問が混じり合って成立しています。

専門的には、個性は、この5つの因子によって表現されることになりました。とくに大事なのは、過去の性格分析的なものは、固定的なものとして捉えられてきたのですが、5つの因子を用いた分析では、時系列に従った変化についても記述されたりもすることです。

5つの因子;それぞれの説明

情緒安定性(neuroticism)

外部の刺激に対して落ち着いて対応できる。ストレスの大きな状況でも、不安や緊張などをコントロールできる。他者から叱られたり、悪く言われたりしても動じない。進化心理学の視点からは、情緒安定性は、危険を避けるために慎重に行動するという傾向の強弱によって決まると考えられている。これが強すぎると、うつ病や病的な神経症になり、ひきこもってしまう。情緒安定性とは、危険を怖がりすぎず、かといって無謀な行動はしないバランス感覚のことである。

外向性(extraversion)

自分の外側の世界に対して、積極的に関わろうとしているか。強い刺激を求め、活動的である。報酬(広義には充実感や幸福感)を引き起こすような刺激に敏感で、それに近づこうとする。反面、他者の感情には鈍感なところがある。対人関係や業績にこだわり、他者から褒められたり、他者に喜んでもらえることを求める。心理学者ユングは、この外向性と、その対極にある内向性のバランスが崩れることが精神病理の原因であるとした。

開放性(openness)

これまで経験したことがないことや、出会ったことのない人との面会を求める。新しい知識についても、求めて取得している。端的に言えば、知性のことでもある。よい意味で遊び心があるが、これが行き過ぎると、現実離れをした夢想家になってしまうこともある。開放性は、創造性との関連もある。認知的に拡散がつよく、脳内のネットワーク(前頭葉の機能)があっちこっちにつながってしまうことの抑制がきかないことが、創造性の根源であり、開放性でもあると考えられている。

協調性(agreeableness)

共感性とも関連している。他者が、どのような心理状態にあるかを気にしており、理解しようとして、自分なりに追体験している。多様な価値観の中でも、周囲に共感を示しながら、チームを組むことができる。これが強すぎると、自分を殺して他者に従うばかりで、集団への依存性の高い人格ができてしまう。他者のために自分を犠牲にして、頑張ることもできる。周囲からの協力は得やすいが、自己主張ができず、我慢することも多い。

誠実性(conscientiousness)

コミットしたことを途中で投げ出さず、徹底的に突き詰めるタイプ。成果を出すために誰かに監視・管理される必要がない。セルフコントロールができ、当事者意識が強い。集中して勉強もできるが、脅迫的になることもある。完全主義的で、同僚やパートナーを苦しめることもある。また、柔軟性がないと思われることもある。しかし同時に、あらゆる職業において、成功との相関性が指摘されている因子でもある。いちどダイエットをはじめるとやめられなくなり、拒食症になるようなタイプでもある。

まずは、自分自身について知ろう!

介護という文脈でも、それぞれの個性について理解していくことは大事なことです。要介護者、介護者(家族)と介護のプロの間にはチームワークが必要になりますが、このチームを機能させていくためにも活用することができます。

とはいえ、他者を変えるのは、とても難しいことです。であれば、まずは自分のあり方を変化させることで、少しでも優れたチームの形成を進めたいところです。

しかし、きちんとした分析テスト(NEO-PI-R)を受けるのは、とても大変です。この分析テストの簡易版を公開してくれているサイトがあるので、それにチャレンジしてみてください。そこから、まず、自分自身の性格について理解することができます。

5つの性格診断心理テストプラス(簡易版)

http://www.sinritest.com/bigfive01.html

このサイトは、個人が管理している心理テスト(非営利)ですが、登録も不要で、とても使いやすいです。余談ですが、管理人である徳吉陽河氏は、『コーチング心理学ハンドブック』(金子書房)でも認知行動コーチング統合的モデル(第6章)の執筆もされています。気になったら、そちらも参照してみてください。

※参考文献
・丹野義彦, 『ビッグ5を臨床で使おう:総合科学としての性格5因子パラダイム』, 2014年9月29日

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