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入社おめでとうございます!社会人になった気分はどうですか?介護業界では、就職活動のときに着ていたスーツを着なくてよさそうなことに、少し安心もしているかもしれません。ただ逆に、服装が決まっていないということに、かえって思い悩むことにつながったりもするので、注意してください。
就職活動はどうでしたか?もしかしたら、介護業界以外にも、興味があったり、気になった業界があったかもしれません。ただ、こうして一度は決めて自分で始めたからには、少なくとも数年は、介護業界で頑張ってもらいたいと願っています。
さて、IT系のベンチャー企業の経営者は、よく、自分たちの会社に入社した新卒に向けてメッセージを出しますよね。しかし介護業界の多くの会社は、入社式はあるでしょうが、メッセージを出すような文化はありません。そこで僭越ながら、介護業界に就職した新卒のみなさまに、仲間としてメッセージを送りたいと思います。
介護業界には(ある意味で)希望しかありません。なぜなら、介護業界は、日本でも、いや世界中を見ても、まだまだ未完成な業界だからです。未完成な業界には可能性しかありません。そしていま、そうした未完成な業界というのは、現代社会においては、介護業界しか残されていないかもしれません。
日本で介護保険制度が開始された2000年には約50万人程度だった皆様の先輩の数は、いまや200万人を突破しようとしています。20年にも満たない期間で、労働者数が約4倍にも増えている業界は、現代社会において、ほかにありません。そうして急速に成長した業界だからこそ、完成されていないところも多分にあるわけです。
完成されていないということは、課題も多数あるということです。しかし忘れて欲しくないのは、課題というのは、社会人にとってはRPGのモンスターのようなものだということです。社会人は、課題というモンスターを倒していくことでしか、レベルアップしないのです。
考えてもみてください。完成された業界では、スライムのような弱いモンスターしか出てきません。スライムばかり倒していては、レベルアップも遅くなるでしょう。これに対して介護業界には、強力なモンスターがウヨウヨしています。難しいのは、他の業界とは異なり、介護業界の課題は、ほとんどが強力なモンスターだというところです。
そうした意味では、介護業界には希望しかありませんが、同時に、困難は他の業界よりも大きいという覚悟を持ってもらいたいです。特に大きな成長というのは、困難を乗り越えた先でしか得られません。困難を乗り越えられないときは、やはり、大変なことになってしまいます。だからこそ、これからはなんとなく日々を過ごすのではなく、注意してキャリアを考えてもらいたいのです。
介護業界ではない、他の業界に就職した友達は、マーケティングや財務会計など、ビジネスの言葉を覚え始めます。それに対して、介護業界で働いていく皆様は、しばらくは、ビジネスの言葉ではなく、広い意味での社会福祉やヘルスケアの言葉を覚えていくことでしょう。
そうした状況では、焦る人も出てきます。友達は、どんどんビジネスに詳しくなるのに、自分は、ビジネスのことは全くわからないままだからです。しかし、友達と同じであれば、大きな成功を生み出せるわけではないことを知ってください。少なからぬ社会人は、ビジネスには詳しくても、不安でいっぱいの毎日を送っています。
仕事というのは、簡単に言ってしまえば(1)商品を生み出す(2)商品を売る、という2つのアクションでできています。大多数の人は(2)商品を売る、というアクションをしており、こちらにはビジネスの言葉が求められます。
これに対して、介護業界の仕事の多くは(1)商品を生み出す、というアクションが多いのです。生み出す商品とは、介護を必要とする利用者に届ける介護サービスです。これは、皆様自身の中に積み上がる介護の専門性によってしか生み出されません。自分自身の専門性のレベルが、そのまま商品の品質になるわけです。
だから、社会福祉やヘルスケアの言葉を、自信を持って深めて行ってください。その専門性を求めている利用者は多数います。それなのに介護業界は、十分な量と質の介護サービスを届けられていないのが現状です。皆様が、少しでも早く成長し、高い専門性を持ってくれることを、日本全体が、いやもしかしたら世界中が待っています。
ここで、介護の勉強は、会社内だけで閉じないことが重要です。会社の同僚や先輩だけでなく、セミナーに参加するなどして、介護業界の別の会社の人にも積極的に会うようにしましょう。これは、幅広い専門性に触れ、自分の専門性をどの方向に尖らせていくのかを考えるためです。また、迷ったら本を読むことを心がけましょう。
そうして介護の専門性が十分に得られた後のことになりますが、介護の専門性だけでは、必ず困ることになります。なぜなら、専門性の獲得がきちっと形になれば、他の業界に就職した友達よりも、ずっと若い段階でマネージャーになる(立場が上がり、誰かの上司やリーダーになる)からです。
皆様も知っているとおり、介護業界の待遇はよくありません。しかしその代わり、若くしてマネージャーになれるという経験は、他の業界では味わえない貴重なものです。待遇と経験、どちらのほうが重要かということに関しては、以下の名言があります。
仕事の世界では2種類のコインが支払われる。現金と経験だ。まずは経験を取ること。現金はあとからついてくる。
ハロルド・S・ジェニーン(元AT&T会長・社長)
介護業界には、しっかりと専門性を身につけた後であれば、マネージャーとしての経験を積めるチャンスが多数あります。他の業界では、初めて部下を持つマネージャーになるのは40歳以降というケースがざらです。しかし今の介護業界なら、20代にして多数の部下を持つようなケースが多数あります。
ここで注意したいのは、マネージャーとして誰かの上司になるということは、他の業界では遅すぎることが多いのですが、介護業界では逆に早すぎることも多いということです。先のRPGの例で言えば、まだレベルが低いのに、ドラゴンを相手にするようなものです。
レベルが低いのに、ドラゴンを相手にする場合、必要になるのは武器です。社会人にとって武器とは、知識のことに他なりません。ここでやっと、皆様を焦らせてきたマーケティングや財務会計といったビジネスの言葉が求められるようになります。
介護の専門性がないままであれば、そもそも、マネージャーにはなれません。しかし、その後であれば、介護業界には、マネージャーになれるチャンスが多数あります。介護の専門性に関する勉強に、ある程度のめどが立ってきたら、今度は、マネージャーとしての専門性についても勉強していく必要があります。
どこから手をつけてよいかわからない場合は、とにかく、まずは日商簿記3級の資格を取得するようにしてください。なぜなら、複式簿記というのは、人間が発明したビジネスのフレームワークの中で、もっとも長い間、変化することなく使われてきた、非常に基本的なものだからです(14世紀のイタリアで生まれたと言われる)。
日商簿記3級は、会計学という「お金に関する学問」の入り口になるものです。先回りしておきますが、この資格の勉強をしている間は、なかなか理解が進まないでしょう。さらに資格を取得した後でも、どうしても腑に落ちにくいという特徴もあります。しかしそれは、皆様のせいではありません。会計学が、そもそも、そういうものなのです。
いったん日商簿記3級を取得したら、それからは、会計学の本の中でもわかりやすいものを読んでみましょう。また映画『ハゲタカ』(出演:大森南朋)を観ることもオススメします。本当に少しずつしか理解が進みにくいのですが、逆に言えば、ここをおさえれば、ライバルと大きな差がつきます。
もちろん、ライバルと差をつけるのが、勉強の目的ではありません。利用者に対して、より優れた介護サービスを提供することが目的です。しかし、部下のいるマネージャーになれば、会計学がわからないままに、本当に優れた介護サービスを提供することはできないのです。
もし、介護の専門性はついたけれど、どうしても経営学の勉強が進まないというときは、KAIGO LAB SCHOOL(授業料無料で経営学を教える非営利のビジネス・スクール)への入学を検討してみてください。ただ、このスクールへの入学には、上司からの推薦状が必要なので、しっかりと、今の上司に認められるような仕事ができているのが大前提です。
介護業界に入ったからには、できる限り早い段階で理解しておきたいことを、以下、KAIGO LABのリンクで示します。おそらくは、新入社員研修でも習うと思いますが、時間があるときに、少しずつ読み進めてもらえたら嬉しいです。では、皆様の幸運を祈っております。
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