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運動に自信がなかったり、病気などにより運動が制限されている高齢者は少なくありません。そうした高齢者のために、イスに座ったままで実施することができるヨーガである「チェア・ヨーガ」が、国内外で注目されています。
この「チェア・ヨーガ」の効果についての論文(佐々木, 2015)があります。この論文によれば「チェア・ヨーガ」を実施することで、肺活量が上がったり、自分は健康であるという気持ち(主観的健康感)が上がったり、身体の柔軟性が高まったり、さらには虚弱(フレイル)予防の可能性も示唆されています。
とはいえ「チェア・ヨーガ」に関する研究はまだ少なく、効果については、実際にやってみて、自分に合っているかどうか判断する必要があります。実際の「チェア・ヨーガ」がどういうものか、動画があるので、そちらを見てみてください。
先の論文で示唆されているのは「チェア・ヨーガ」は、より高齢の人にとって効果がありそうというものです。後期高齢者(75歳以上)になると、ランニングやウォーキングといった運動が難しい人も増えてきます。
こうした高齢者でも、身体を動かすことをやめてしまえば、どんどん弱ってしまいます。しかし「チェア・ヨーガ」のような運動であれば、ゆっくりとした動きが中心ですから、激しい運動は無理という高齢者でも、実施することが可能でしょう。
そもそもヨーガは、身体だけでなく、精神にも作用する運動であり、興味のある人は潜在的にはかなり多いと思われます。後期高齢者になってからでも、過去に経験がなくてもはじめられる運動として「チェア・ヨーガ」に注目が集まるのは自然なことなのかもしれません。
まずは、紹介した動画のようなものをネットで見つけて、それを参考にやってみるのがよいかもしれません。また、DVDなどもあるので、それをレンタルで借りてきて試してみるのもよいでしょう。
より本格的にやってみたい場合は、高齢者向けのヨーガである「シニア・ヨーガ」を提供している団体・組織を見つける必要があります。幸い、ヨーガに詳しい人は増えてきているので、友達や知り合い経由で、そうした人を見つけて紹介してもらうと、失敗が少なくなると思われます。
また、ケアマネによっては「チェア・ヨーガ」を提供してくれる団体・組織を知っていることもあります。介護業界にも「シニア・ヨーガ」に詳しい人がいるので、相談してみると、意外と簡単にみつかることもあります。
※参考文献
・佐々木晶世, et al., 『チェア・ヨーガが在宅高齢女性の心身の健康に与える影響』, 日本健康医学会雑誌 24(1), 59-66, 2015-04-30
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