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通常、石鹸と流水を用いる手洗いは、感染予防にとって最も有効な手段の一つです。加齢によって、免疫力が落ちている高齢者と関わる介護者(家族)にとって、手洗いは、本当に注意すべき活動になります。正しい手洗いを知っておくことは、一生にわたって、健康を守るために重要なことです。
医療従事者が学ぶ教科書などには、日常的な手洗い(石鹸と流水を用いた手洗い)方法として、最低15秒間は両手全体と両手首をしっかりとこすり合わせることや、逆に10秒以下の手洗いには効果がないといった記述があるそうです。ある研究結果では、水洗いをしている時間は、21秒以上が望ましい(岸, 2013年)ということがわかっています。
手洗いは、毎日のことであり、それぞれに自分なりのやりかたを身につけているのが普通です。この重要なルーティンワークを、そもそも間違った知識で行っていないか、検証してみることは大事でしょう。
以下は、東京都が公開してくれている手洗い指導の動画です。わずか2分の動画ですので、ご家族で一度は見て、手洗いのノウハウを学び直しておくことをおすすめします。特にノロウイルスには、アルコール消毒は効かないという点は、注意が必要でしょう。
水を出すときの蛇口ハンドルは、そもそも、手を洗う前にさわる場所です。このため、蛇口ハンドルは雑菌にまみれています。これを、手を洗ってから、水を止めるためにさわると、せっかく手を洗ったのに、意味がなくなってしまいます。
このため、特に衛生面での注意が求められる医療機関では、足踏み型の蛇口ハンドルや、蛇口ハンドルのないセンサー型の蛇口が採用されていたりします。とはいえ、自宅の蛇口を、蛇口に変更するのは難しいことが多いでしょう。
であれば(1)蛇口ハンドルをこまめに水拭きをするなどして清潔にしておくこと(2)蛇口ハンドルを手洗いをしたあとは素手でさわらないこと、の2点に配慮する必要があります。
また、同様に、手洗い後に手をふくタオルもまた、雑菌の宝庫です。タオルを常に清潔なものにしておくか、または紙タオルなどの使い捨てにできるものとしておかないと、せっかく手を洗っても、意味がなくなってしまいます。
※参考文献
・岸正, 『種々の手洗いにおける細菌学的考察について:第3報 手洗い時間とその効果について』, 京都市立看護短期大学紀要37(2013年)
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