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一般に、銀行のキャッシュカードには、引き出せる限度額が設定されています。口座にお金があったとしても、1日あたり50万円までしか引き出せないといった形で、お金が不正に引き出されることを予防するための措置になっています。
昨今のオレオレ詐欺などの影響によって、この限度額が、1日あたり50万円までだったものが、例えば、1日あたり10万円までといった方向に修正される傾向があります。限度額が小さくなれば、それだけ、被害が起こった時の被害の範囲もまた小さくすることができるからです。
ただ、問題なのは、こうした変更は銀行主体で行われ、知らないうちに、限度額が下げられていたということが多いことです。もちろん、窓口などで申請すれば、それ以前の限度額に戻せますが、やはり、勝手に変更されるのは気持ち悪いという人もいるでしょう。
銀行口座の所有者の年齢で一気に網をかけて限度額を下げるということは、明らかに大きな効果があります。それだけ、反社会勢力に対して流れるお金の量を減らせるということであり、オレオレ詐欺の費用対効果を下げることに、直接的な影響があるはずです。
同時に、どうしても気になるのは、自分の銀行口座から引き出せる自分お金に制限がかかるということは、人権に関する話でもあるということです。自分のものは、他社の迷惑にならない限りに置いて、自分の自由にして良いというのは、大事な権利でしょう。
そうした権利が、年齢によって制限されるというのは、年齢差別のようにも感じられます。もちろん、詐欺で財産を失ってしまうよりは、こうした制限がある方が良いでしょう。ただそれでも、こうした制限は、本来であれば望ましくないものであることは忘れられてはならないでしょう。
高齢者が騙され、過去に取引実績のない不思議な口座に対して、高齢者から巨額のお金が入金されるといった流れには、怪しいステップが多数あります。そうした怪しいステップをテクノロジーで監視することはできないのでしょうか。
素人には、それほど難しいことではないように思われます。しかし実際には、不正のない通常の取引との判別が難しく、一般の取引にも支障が出てしまうのでしょう。逆に言えば、簡単そうに見えても難しいからこそ、詐欺集団がターゲットにしているのです。
背景にある難しさまではわかりませんが、この問題に対してテクノロジーでアタックをしている人々が必ずいるはずです。その人々には、なんとかそれを成功させてもらい、年齢差別的な判断がなくても、高齢者であっても、自分のお金は自分の自由になる社会を実現してもらいたいです。
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