閉じる

資本主義に代わる新しい経済?介護にはお金が必要です

資本主義に代わる新しい経済?介護にはお金が必要です

資本主義に代わる新しい経済

信用経済やシェアリングエコノミーなど、資本主義に代わる新しい経済の可能性が模索され続けています。資本主義では、貧富の格差が縮まることはなく、むしろ拡大してしまうということも、そうした新しい経済が望まれる背景になっています。

ただ、どうしても気になることがあります。新しい経済として考察されるものは、その多くが、介護の現実を踏まえているようには思えないことです。それぞれに納得できるロジックはあるものの、そうした新しい経済によって、介護現場がより良くなるイメージが持てないのです。

たとえば、地域の関係性によってお互いを支え合うという話は、双方がそこそこ健康で、お互いのために何らかの手助けができることが前提でしょう。一方が他方に対して、長期に渡っての重労働をずっと無償で行うようなことが、家族以外でやれるかというと大いに疑問です。

月額30万円といった金額を10年以上も出せますか?

民間の老人ホーム(介護施設)に入居させるには、毎月30万円程度のお金が必要になります。介護が必要になる期間は、10年程度は想定しておきたいところです。そんな長期に渡って、毎月30万円ものお金を出し続けられる人は少数でしょう。

しかし、それだけのお金をもらっても、介護施設を経営する側からすれば、たいして儲からないのです。それどころか、赤字になって倒産するところもあるほどです。そして、介護業界の待遇は非常に悪いので、人材も集まらず、介護を担ってくれる専門職が足りていません。

老人ホームが無理ということになれば、在宅での介護しかありません。そうした在宅での介護にも、平均で毎月7万円程度のお金が必要になります。そのお金が出せなければ、介護は自分でやるしかなくなります。地域の誰かが、その重労働を肩代わりしてくれたりはしません。

認知症の高齢者が1,000万人を超える時代に

2025年には、認知症の人が700万人になります。認知症一方手前の軽度認知障害の人400万人を足すと、1,100万人もの人が認知症に苦しむことになります。それだけの数の人を、地域ボランティアで支えることが、本当に可能でしょうか。支え合いのようなことが可能なのでしょうか。

日本はこれから大介護時代に突入します。そんな時代に必要なのは、新しい経済というよりも、お金です。特に、国にはもうこれ以上財源がありませんので、これから劇的に増えていく介護の費用を、国が肩代わりするということもないのです。

大介護時代を乗り切るために必要になるお金をどうするのか、その議論をしっかりとしないままに、新しい経済のことを考えても、どうにもならないと思うのです。もちろん、資本主義による貧富の格差はとても大きな問題で、解決が求められます。ただ、新しい経済には、介護の視点が入っていないと意味がありません。

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由