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団塊ジュニアは、2040年ごろに定年退職となります。その時代には、人口は1億728万人と、2019年1月時点の人口である1億2,632万人と比べて、1,904万人も人口が減っています。GDPは人口の掛け算ですから、GDPは人口比で約15%減少する可能性があります。
しかし、2040年には、高齢者人口は3,868万人とピークになります。減少するのは、子供と現役世代の数です。実際に2017年には6,530万人いた就労人口は、成り行きでは、5,245万人にまで減ります。約20%も、就労人口が減るのです。
現時点を基準として考えると、高齢者人口は過去最高になるのに、就労人口は過去最低になるのが2040年です。そんな時に、団塊ジュニアは、高齢者の仲間入りをします。そして、定年退職となる人も多いはずです。
日本の社会福祉は、実質的に賦課方式(ふかほうしき)と呼ばれる制度で成り立っています。簡単にいえば、医療・介護・年金などに必要となるお金は、現役世代から高齢者に対して「仕送り」されているのです。
この賦課方式は、現役世代の人口が多く、高齢者の人口が少ないときは、十分に機能するでしょう。しかし、今後の日本を考えると、この賦課方式が制度破綻するのは確実と考えられています。
団塊ジュニアは、自分たちが高齢者になったとき、今の高齢者のように恵まれた状態にはならないことを覚悟する必要があります。実は、今の高齢者でさえ、かなり苦しい状況なのですが、それでも、将来の団塊ジュニアよりもかなり恵まれています。
2040年までには、あと20年以上の時間があります。今から、子供が増えれば、ギリギリ、子供が社会人になり、就労人口を増やすのに間に合います。しかし、ここで子供が増えないと、団塊ジュニアは、平均よりも上の収入を得ている人でも貧困になる可能性が高くなるでしょう。
しかし、過去38年という期間において、日本における子供の数は、過去最低を更新し続けています。団塊ジュニアが、今、2040年以降の日本をリアルに想像し、子供の数を増やす方向に意見を統一していけないと、かなり悲惨な未来が確実になってしまいます。
貧困になったら、生活保護を受ければ良いというのは、もはや、日本では成立しないでしょう。生活保護のための財源もまた、現役世代に依存しているのが日本だからです。そして日本という国には、貯蓄どころか借金しかありません。
最悪を想定するなら、年金なしでも生きられるような人生設計をする必要があるでしょう。それだけの貯蓄はまず無理でしょうから、生涯現役という方向で考える必要があります。問題は、高齢者になった団塊ジュニアに、仕事があるかという部分です。
あと20年もの期間、就労人口は減り続けます。企業は、これを理解していますから、徐々にではあっても「従業員がいなくても仕事が回る状態」を作って行くでしょう。人工知能というレベルでなくても、自動化の組み合わせによって、売り上げあたりの従業員数を減らして行くのは確実です。
そうなると、なんとか勉強して、自動化を生み出す側に回れないと、仕事がなくなる可能性が高くなります。しかし、団塊ジュニアの全員が、そうした勉強をこなし、自動化を生み出す側に回れるかというと、実質的に不可能です。
残されている希望は、あと数年という時間内に、子供の数が急増するような施策の成功です。ひろゆき氏は「子供を1人産めば1,000万円を支給する」といった施策の提案をしていますが、それくらい思い切ったことが求められる段階に来ています。
※参考文献
・時事通信, 『2040年までの就業者数推計(2019年1月)』, 2019年1月
・産経新聞, 『子供の数、過去最低の1533万人 38年連続減』, 2019年5月4日
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