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専業主婦の年金も改悪へ?もうどうにも止まらない・・・

専業主婦の年金も改悪へ?もうどうにも止まらない・・・

第3号被保険者が制度化された背景

第3号被保険者とは、自営業や学生(第1号被保険者)ではなく、会社員や公務員といった第2号被保険者(夫など)に扶養されている配偶者を対象とした年金制度です。実質的に専業主婦のための年金制度で、大きな特徴は、年金保険料を支払わずに、将来の年金がもらえるという制度です。

この背景には、専業主婦として収入がない状態では、年金保険料を支払うことができないというだけではありません。夫に先立たれたり、離婚した場合、将来の年金もなくなってしまうということもあります。

とはいえ、これが不平等な年金のあり方であり、何らかの形で、平等な方向に変更しなければならないという議論は、昔からあったものです。夫に先立たれたり、離婚をして貧困に陥ったりする場合には、そもそも他の救済手段があってしかるべきでもあります。

ただ、現在では、共働きの夫婦も増えてきたことで、第3号被保険者の数は、2008年度末には1,000万人を超えていたものが、2017年度末には870万人まで減っています(女性が99%を占めている)。

第3号被保険者が狙われている

いよいよ、日本の少子高齢化の影響が顕在化してきています。その一つが、年金財源の枯渇であることは、誰もが知っていることでしょう。そうなれば、政府としては、年金の支出を減らし、徴収を増やすしか手がありません。

その流れの中で、いよいよ、第3号被保険者が狙われています。保険料を支払うか、または、もらえる年金を減らすといった方向での議論が開始されているのです。以下、マネーポストの記事(2019年5月5日)より、一部引用します。

現在、夫の厚生年金に加入し、年金保険料を支払わずに基礎年金をもらうことができる「第3号被保険者」の妻は約870万人いる。第3号については共稼ぎの妻や働く独身女性などから「保険料を負担せずに年金受給は不公平」という不満が根強くあり、政府は男女共同参画基本計画で〈第3号被保険者を縮小していく〉と閣議決定し、国策として妻たちからなんとかして保険料を徴収する作戦を進めている。(後略)

この議論では、共稼ぎの妻や独身女性の声を受けての改革案ということになっています。しかし、そうした女性からの声というのは「統計的な真実」なのでしょうか。こうして女性からの声を理由にすれば、年金の改悪がしやすいだけのような気がします。

もはや子育てができない国になってきている

子供を3人も持てば、共働きも厳しくなります。子供の数が少なくても、子供にちょっとした病気や障害でもあれば、やはり共働きは厳しくなります。そうして、子供を育てている家庭から、年金保険料を徴収するということは、子育て世帯の狙い撃ちになります。

日本の年金は、若い世代が、高齢の世代のためにお金を出すという制度(賦課方式)になっています。そうした制度を持っている国において、子育てが難しい環境を作るということは、あまりにも馬鹿げたことなのです。

子供が増えていくことは、将来の日本の年金を維持するために、どうしても必要なことなのです。子供を持たない人の年金も、その財源は、現役世代が支払うのが日本の年金の仕組みなのです。子育てのしやすい国にしないと、自分たちがもらえる年金が減るのです。

もちろん、年金だけではありません。子供が少なくなれば、徴収される税金も減りますし、介護保険料も減ります。そうなれば、高齢者になって、介護が必要になっても、それが保険ではカバーされなくなっていきます。

年金の財源が苦しいことは理解できます。そして、第3号被保険者の縮小は仕方のないことかもしれません。ただ、これとセットとして子育て支援や、本当に困っている人のところに支援がいくような仕組み作りがなければ、日本の未来はさらに厳しいものになるでしょう。

※参考文献
・マネーポスト, 『働く女性の声を受け「無職の専業主婦」の年金半額案も検討される』, 2019年5月5日
・yomiDr., 『国民年金加入者 第3号はなぜできた?』, 2018年7月19日

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