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65歳から年金をもらうと減額になる?着々と進む年金の改悪

65歳から年金をもらうと減額になる?着々と進む年金の改悪

年金財源はどんどん厳しくなる

日本の年金は、若い現役世代が、高齢者を支えるという賦課方式(ふかほうしき)を採用してきました。この制度は、現役世代の人数が多く、高齢者の人数が少ないときは、安定的に運用することができます。人口が増加していくような国においては、優れた制度として機能します。

しかし、少子化により現役世代の人口が減り、高齢化により高齢者の数が増える社会においては、賦課方式は徐々に機能しなくなります。国としても、年金を破綻させるわけには行きませんから、現役世代1人あたりから徴収する年金の財源を増やし、高齢者1人あたりに支給する年金を減らす必要があります。

国にも、悪気があるわけではありません。ただ他に、選択できる(リスクの小さい)方法がないのです。ベーシックインカムのような、抜本的な構造改革もあり得ますが、そのリスクはかなり大きなものになるので、国がもっと厳しい状況にならないと、こうした改革は起こらないでしょう。

65歳から年金をもらうと支給額30%減に?

現在、社会保障審議会年金部会(年金の未来を考える公的な場)では、こうした国の状況を基礎として、今後の年金をどうしていくのかという議論が行われています。イケイケの時代ではなく、様々なところで「撤退戦」としか言えない状況にあり、とても難しい仕事です。

そうした中で出てきた意見として(1)年金の受給開始を65〜75歳で選べる(2)基準を70歳とする(3)70歳前に年金をもらう人は繰り上げとして支給額を30%減額し、70歳後にもらう人は逆に繰り下げとして支給額を増やす、というものがあります。

この形式だと、貯蓄のない高齢者がもらえる年金が減り、お金に余裕のある高齢者がもらえる年金が増えるという逆累進性が発生してしまいます。むしろ、そんなことは理解した上での意見であることを考えると、日本の置かれている状況の厳しさが伝わってきます。

お金のある人から徴収する方式に変えて行くべき

本質的には、賦課方式を改めて行く必要があります。賦課方式を弱めるということは、高齢者は、高齢者同士で助け合う方向にして行くということです。お金のある高齢者が、お金のない高齢者のための年金を支払うような、そうしたイメージです。

年金と生活保護は、実質的に失業手当であり、本当は同じカテゴリで扱えるはずです。「年齢によらず、失業している人に対しては、毎月定額のお金を支払う」というシンプルな社会保障制度ができたら、素晴らしいと思います。これなら、ベーシックインカムほどには財源が必要ありません。

そもそも、すでに十分なお金を持っている高齢者に対しても年金を支払うというところに、大きな矛盾があります。その年金の財源のために、現役世代の可処分所得が減ることは、経済的な意味でも大きなマイナスになります。

※参考文献
・マネーポスト, 『令和の年金改悪 65歳で受給する人は繰り上げ扱いで空前の減額議論』, 2019年4月30日

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