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介護保険料という税金は(ひっそりと)上昇を続けている

介護保険料という税金は(ひっそりと)上昇を続けている

介護保険料は税金?

介護保険は、私たちが40歳になると強制的に加入させられる保険制度です。保険ですから、保険料(介護保険料)を支払う必要があります。こうして徴収される介護保険料は、名前からすると保険料なのですが、立派な税金の一種だという認識が求められます。

大辞泉によれば、税とは「国費・公費をまかなうため、国・地方公共団体が国民・地域住民・消費者などから強制的に徴収する金銭」のことです。介護保険料は、介護保険制度を支えるために、国や自治体によって強制的に徴収されるものですから、これに該当します。財務省も、以下のように説明しています。

税金とは、年金・医療などの社会保障・福祉や、水道、道路などの社会資本整備、教育、警察、防衛といった公的サービスを運営するための費用を賄うものです。みんなが互いに支え合い、共によりよい社会を作っていくため、この費用を広く公平に分かち合うことが必要です。

この介護保険料の徴収においては、給与の高い大企業に勤務していると一般よりも高くなったりします。また、地域格差も大きく、高齢化が深刻な地域ほど、徴収される介護保険料は高額になっています。税は公平に徴収されると言いますが、公平性についての定義は難しく、国も悩んでいることがわかります。

上昇を続ける介護保険料

この介護保険料は、3年に1度、介護にかかっている費用の現状に合わせて修正されます。介護を必要とする人は増え続けているため、こうして見直されるたびに、介護保険料もまた増え続けているのです。

厚労省は、この介護保険料の上昇について、2000年度には、全国の月平均で2,911円徴収されていたのが、2025年度には8,165円になると予想しています(厚生労働省, 平成27年度)。仕方のないことではありますが、こうした介護保険料の上昇がいつまで続くのかを考えると不安になります。

そうして、大企業に勤務している人の介護保険料は、前回の見直しから6%程度増えて、年間で10万円を突破するところまできました。以下、日本経済新聞の記事(2019年4月19日)より、一部引用します。

大企業の社員らが入る健康保険組合で、介護保険料の負担が急速に増している。全国約1400組合の2019年度予算によると、加入者1人あたりの納付額の平均は約6千円(約6%)増え、初めて年10万円を超えた。(中略)会社員らは給与から天引きで、介護保険を含む社会保険料を納めており、実際にどれくらい負担が増えているか分かりにくい。(後略)

消費税の増税は大きな議論になるのに・・・

消費税だろうと、介護保険料だろうと、国や自治体による強制的な金銭の徴収である限り、それは税金です。そうした強制的に徴収される金銭が増額されることは、増税に他なりません。日本は厳しい状態になってきていますから、様々な税が増税されてきています。

ただ、消費税は、その増税の負担が日常的に感じられやすいのに対して、介護保険料は支払っていることさえ知らない人がいるという点で異なります。要するに、消費税よりも介護保険料の方が、その増税の実感が少ない分だけ(国民からの不満が出にくく)増税しやすいということです。

しかし、先のニュースにもある通り、大企業に勤務している人であれば、6%というレベルでの増税があり、すでに徴収額としては1人あたりで年間10万円を超えるようになっているのです。それは必要な税金であることはともかくとしても、自分が支払っている税金については、認識する必要があるでしょう。

こうした増税の中では、多少の給与の上昇があったとしても、実質的な賃金は平行線だったり、場合によっては減っているかもしれないのです。今時、給与の上昇はあっても小幅であることが多いはずなので、この点については、自分でも確認しておく必要があるでしょう。

※参考文献
・厚生労働省, 『公的介護保険制度の現状と今後の役割』, 平成27年度
・日本経済新聞, 『介護保険料、年10万円超に 会社員、平均6%増加』, 2019年4月19日

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