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アジアの高齢化は、日本よりも課題が多い?

アジアの高齢化は、日本よりも課題が多い?

急速な発展の裏側には・・・

第二次大戦以降、アジア各国は、日本の成長を筆頭として、大きく成長してきました。特に、アジアNIESと呼ばれた韓国,台湾,シンガポール,香港の成長は、発展途上国からの脱却に成功し、アジア四小龍とも呼ばれました。しかし、急速な発展の裏側で、高齢化の問題は軽視されてきたのです。

急速な発展には、インフレ(物価の上昇)がつきものです。これが過度になると、貯蓄が目減りが起こってしまいます。また、アジアは伝統的に子供の教育に大金をつぎ込むため、インフレと合わせて貯蓄の足りない高齢者が多数になっています。

また、発展途上国からの脱却においては、少子化が起こります。ここに、貯蓄の足りない高齢者を支えるのは、数少ない子供という図式ができてしまいます。日本でも同じ現象が見られますが、アジアにおいても、似たような状況があるということです。

介護保険制度のようなものは未整備

しかし日本には、介護保険制度があります。アジア各国よりも、日本は、様々な面で進んでいたため、社会福祉の整備にも着手できたのです。これに対して、アジア各国における高齢者福祉は、かなり貧弱なものになっており、日本の介護保険制度のようなものは整備されていません。

結果として、アジア各国における介護は、より貧しい国からの外国人労働者を住み込みで働かせるという形式が目立ちます。ただ、そうして外国人労働者を受け入れられる家庭は、裕福なほうです。その余裕のない家庭では、子供が直接介護をしています。

また、年金制度も、日本ほどには整備されていないことが普通です。このため、子供の介護が限界となったとき、アジア各国では、親を捨てるということが現実に起こってしまっています。親を敬う儒教の浸透している韓国でさえ、子供の支援を受けられない高齢者が社会問題になっています。

日本の未来でもある

韓国では、高齢者の相対的貧困率が46.5%(2016年)にもなってしまっています。日本の高齢者の相対的貧困率は35%程度とされますので、韓国の状況の厳しさは際立っています。同時に、日本もまた、決して豊かな状態ではないことも明らかです。

アジアの高齢化は、日本よりも大きな課題を抱えているというのは事実です。同時に、日本は、これまでの高齢者福祉を維持することができず、ここから転落していくことが避けられない状況です。

これから日本でも、高齢者1人あたりに使える税金が減っていきます。国の財政も、ずっと債務超過の状態にあることはご存知の通りです。この債務超過は、長期的にはインフレにつながるはずです。その時、日本のタンス預金は大きく目減りし、日本はアジア各国よりも酷い状態にもなりかねないのです。

※参考文献
・WEBRONZA, 『韓国 貧困に苦しむ高齢者たち』, 2019年4月1日

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