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月刊誌『人材教育』は、1989年創刊の、人事業界にいる人であれば誰もが知っている専門誌です。人材育成は、どの組織にとっても永遠のテーマです。人事部において教育を担当している人々にとって『人材教育』は、最先端の情報を得るためのメディアとして、長年親しまれてきたものです。
そんな権威ある月刊誌に、KAIGO LAB 編集長による『介護教育と両立支援』というコラムが掲載されました。新年号ということもあり「HRトレンドキーワード2016」における1つの重要なキーワードとして位置付けていただいております。
介護は、育児とは異なり、ある日突然はじまります。「いつかはそんなこともあるだろう」と考えている人材は多いのですが、なにか具体的に、介護について学んでいるというケースはほとんどありません。
介護は、とくに初期の段階では、病院に呼び出されたり、自治体の窓口に行ったりと、コントロールが全く効きません。人材は、介護者としての自覚もまだなく、介護に関する知識も乏しい状態なので、「こんなことが続くようなら、とても仕事との両立はできない」と考えてしまう傾向があります。
上司に相談しても、上司にも介護経験がないケースが(まだ)多いのです。上司としても、部下のプライベートのことですし、安易なアドバイスもできず、困ります。部下から「仕事を続けられそうもありません・・・」と言われたら、上司としても「そういうものなのか・・・」としか返せません。
こうなると、介護離職が出てしまいます。しかし、介護離職は、かなりリスクのある選択です。このとき実は、介護についての知識があれば、適切な介護サービスを受ければ、仕事との両立もなんとかなるかもしれないのです。
日本の福祉サービスには「知らないと使えない」「知らないと損をする」「知っている人だけ助かる」という特徴があります。人事部、とくに人材育成を専門としてきた人にとって、ここは、得意の研修でどうにでもなる世界です。
仕事と介護の両立を支援できるのは、人事部をおいて他にありません。研修や制度設計の優劣によって、介護離職の割合を減らせるわけですから、人事部の力量がますます問われる時代に突入するわけです。
逆に、人事部として従業員の介護問題をサポートする体制ができていないとするなら、非常に危険です。それは「どしゃぶり」を前にして、傘すら持っていないようなものです。2016年の人事業界において「介護」がキーワードになる背景には、こうした「どしゃぶり」への危機感が高まっているからです。
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