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もしかしたら、民生委員という言葉自体を知らない人もいるかもしれません。民生委員は、日本の社会福祉において、本当に困ったときの「最後の砦」なので、これまで知らなかったとしたら、それはそれで良いことなのかもしれません。
民生委員は、民生委員法により規定されている非常勤の地方公務員です。ただし報酬はなく、必要経費以外は、ボランティアで活動しています。
特定の区域を担当し、高齢者や障害者、子育ての課題や貧困問題など、とにかく、地域を見守り、困っている人があれば相談に乗ったり、可能なら解決を試みています。
なお、民生委員は家庭内のことに入り込むため、厳しい守秘義務を負っています(任期が終わり退任となっても続きます)。
そんな民生委員は、必要に応じて、介護に困る介護者や、生活に困る被介護者(要介護者)の援助もしてくれています。援助とはいえ、民生委員は「自立の援助」をする存在です。
この文脈で「自立をできるだけ維持」しようとする介護との親和性がとても高いのです。目的とするところが同じだからです。ただ、民政委員は、介護に限らず、より幅広く活動しています。
介護者と被介護者にとって、民生委員は、介護を影から支えてくれている大切な存在です。具体的には、行き詰まって途方にくれている介護者の相談を受け付けていたり、契約でヘルパーさんが関われないときに、例外的に被介護者の見回りをしてくれることがあったりします。
以下、民生委員が何をしているのかがよくわかる動画(千代田区公式チャンネル)があるので、参照してみてください。なにげない「おしゃべり」が、いかに高齢者にとって重要かがわかります。
日常的な、民生委員の介護への関わりは、主に独居の被介護者や、生活に困窮している被介護者の見回りの範囲での対応になります。そこから先は、ケアマネやヘルパーの範疇です。
本当に必要な場合は、ケアマネやヘルパーから、民生委員に連絡をしてくれます。ですので、どうしても介護サービスに穴ができてしまうときは、ケアマネやヘルパー経由で、民生委員に相談してみるのもよいでしょう。
野球で、野手と野手の中間くらいに「ポテン」と落ちるヒットのことを特に「ポテンヒット」と言いますね。あれは、野手のカバーする首尾範囲の「スキマ」に落ちてしまうことによるヒットなのです。介護には、同様な「スキマ」が生まれてしまうことがあります。ここを埋めてくれる(可能性がある)のが、民生委員というわけです。
介護が必要な身になってみると、この社会は、多くの人々の善意で成立していることに気がつきます。そうしたことへの感謝を忘れずに、しかし同時に、介護を1人で抱え込まないようにしたいものですね。
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