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医師による、インターネットを介した診察は、オンライン診療と呼ばれ、今後の発展が期待されています。オンライン診療は、なによりもまず、様々なコストが下がることに魅力があります。金銭的なコストはもちろんなのですが、患者の移動と病院での待ち時間といったコストが減るという点も見逃せません。
これが進むと、医師が、診療所に出勤する必要も少なくなります。診療所の地代家賃も減り、社会問題になっている医師の働き方にも良い影響があるでしょう。医師の仕事も効率化され、残業代などのコストが下げられることにも意味があります。
病院に行くのが面倒で、診察が遅れてしまうことで、病状が悪化する(医療費が多くかかる)といった見えないコストが減ることも大事です。いつでもどこでも、手軽に医師の診察が受けられることは、長期的には、より健康で医療費のかからない国家の実現につながっています。
とはいえ、対面での診察が理想であるという状況には、しばらくは変化がなさそうです。命の危険につながる病気では、検査のためにも、病院に行く必要があります。気軽だからということで、オンライン診療にばかり頼っていたら、大変なことにもなりかねません。
ただ、慢性的な病気で、短期的には命の危険につながらないもの(たとえば花粉症など)については、病状の確認と服薬の指導程度で、診察は終わります。こうした病気については、どんどん、オンライン診療が活用されていくべきでしょう。
また、離島に限らず、過疎地などの病院のない地域に暮らす人にとっては、オンライン診療が命綱になる可能性もあります。遠いからということで医師に相談しないよりは、オンライン診療を受けて、的確なアドバイスを得るようにすべきでしょう。
病院には、様々な病原菌がいます。特に、病院に多いとされている抗生物質などに耐性を持ってしまっている耐性菌に感染すると、有効な治療法がなかったりもするので、危険です。病院に行って、そこでインフルエンザをもらってくるようなことは、できる限り避けたいところでしょう。
そもそも病院は、危険な場所という認識が必要です。医師に相談することは大事なのですが、病院に行くと、思わぬ病気をもらってくる可能性があるのです。その点、オンライン診療は、このリスクを減らすという意味でも期待されています。
感染症のパンデミックにおいては、病院もまた、深刻な感染源と考えられています。毒性の高い鳥インフルエンザなどが発生した場合、病院が機能しなくなる危険性は、指摘されて久しいものになっています。オンライン診療は、医療従事者の安全にとっても、非常に意味のあるものなのです。
こうした背景から、今後も、オンライン診療は、どんどん発展していくでしょう。その鍵を握るのは、家庭用の検査機器の発展です。家庭で、高度な検査ができるようになれば、病院の必要性が極限まで減らせるからです。
在宅介護が進む日本では、そうして、国全体の医療費を削減していくことが急務です。その必要性が、家庭用の検査機器の発展を支えていくことになります。そうして日本が、世界でもっともオンライン診療が進んだ国になれば、これは一大輸出産業になる可能性もあります。
日本に漂う閉塞感は、意外と、高齢化への対応がぶち破っていくものなのかもしれません。世界でもっとも高齢化している国だからこそ、最先端の高齢化対応が発展しやすいと考えるべきところです。日本のメーカーの努力が、大いに期待されています。
※参考文献
・CB news, 『オンライン診療の可能性と課題を探る 大道・日病副会長、「メディカルジャパン大阪」に注目』, 2019年1月18日
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