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1人暮らしの人が犬を飼うと、死亡リスクが下がる?

1人暮らしの人が犬を飼うと、死亡リスクが下がる?

ペットは大切な家族

これまでも、ペットとともに暮らすことは、人間にとって精神的な効果が高いことは多く示されてきました。そもそも、科学的には判明していなくても、そうした効果があればこそ、人間は長年、ペットとともに生きてきたのです。

そうした効果から、アニマルセラピーなども、広く社会に浸透しています。KAIGO LAB でも、過去に『介護生活を、動物とともにあることを、あらためて考える』という記事で、ペットの重要性について指摘しています。

同時に、とくにネコなどは、飼い主の足元にまとわりつくため、転倒の原因にもなりリスクもあります。また、ペットとはいえ命あるものですから、しっかりと責任をもって世話をしていく必要があることも当然です。

特に1人暮らしの人に対する効果が!

そうした中、スウェーデンの研究機関から、ペット(犬)を飼うことの科学的な効果検証の結果が発表されました。非常に示唆的なものなので、以下、CNNの記事(2017年11月18日)より、一部引用します(改行位置のみ、KAIGO LABにて修正)。

犬を飼うことは心血管疾患や死亡のリスクの低下と関連がある――。そんな研究結果が17日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表された。1人暮らしの人の場合、犬を飼うとペットを飼っていない人に比べて死亡リスクが33%、心血管疾患に関連する死亡のリスクが36%低減する可能性があるという。

複数人の家族がいる世帯でも犬の飼い主には恩恵があったが、その度合いは1人暮らしの場合と比べると少ない。こうした犬の飼い主の間での死亡リスクは11%、心血管疾患で死亡する確率は15%低下した。(中略)

1人暮らし飼い主の場合、結婚したカップルや子どものいる家庭とは異なり、ペットと散歩したり触れ合ったりする唯一の人物となる。犬を飼っている人は、天候がどうであれ犬の散歩に出かけるなど、一般的に肉体的な活動のレベルが高いという。(後略)

犬は散歩が必要な生き物

孤独であることは、肥満や喫煙よりもずっと死亡リスクを高めることもわかっています。孤独であると、健康を害してしまい、結果として要介護になったり、要介護状態が悪化してしまうことも考えられます。

精神的な意味からすれば、犬もネコも、大事な家族になりえます。しかしネコは、基本的には、ずっと家の中にいても健康に暮らしていける動物です。これに対して犬は、本能として散歩が必要です。これは、飼い主をして運動不足から遠ざけるために都合がよいかもしれません。

もちろん、高齢者の状態や価値観にもよります。ただ、犬と暮らしてみることは、健康寿命を伸ばすためによい効果があるかもしれません。もし、なんらかの理由で1人で暮らしていて、引きこもりがちになることを心配している場合、犬を飼ってみることも検討すべきかもしれません。

※参考文献
・CNN, 『犬を飼うと死亡リスク低下、1人暮らしで顕著 スウェーデン研究』, 2017年11月18日

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