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介護をする家族にとって、感染症の対策が(普通以上に)重要な理由

期待値管理(エクスペクテーション・マネジメント)

感染症のシーズンは終わる?

年末年始が過ぎ、本格的な感染症のシーズンも、いったんは収束しつつあります。しかし、油断大敵です。要介護状態にある人を介護する家族にとって、季節の変わり目は、とくに十分な注意が必要な時期でもあります。

介護生活の中では、インフルエンザやノロウィルスが二大巨頭と言われています。市区町村や都道府県、国レベルでも、こうした感染症に関する情報は、頻繁に出されています。また症状や予防策、対処方法などについても、公的なサイトや、動画サイトでも取り上げられています。

さて、感染症について、そもそもなぜこれほどまでに敏感にならざるを得ないのでしょうか。健康な成人であれば、感染しても病院で薬を処方され、安静にしていれば数日から長くても一週間で症状はおさまります。しかし、高齢者、とくに要介護者に関しては、話はそんなに単純ではないのです。

高齢者(とくに要介護者)にとって感染症が恐ろしい理由

高齢者にとって感染症が恐ろしい理由は、大きく3つあります。1つめは、免疫力が落ちている高齢者同士の関わりにより、感染症が蔓延しやすいことです。2つめは、高齢者の場合は命に関わる重篤な事態になる可能性があることです。3つめは、介護サービスの利用に大きな影響が出てしまうということです。

1人の高齢者が感染症になったとします。その高齢者が要介護者であるなら、デイサービスなどで、他の高齢者との関わりがあります。高齢者は、免疫力が落ちていますから、そうした関わりを通して、感染症が一気に広まってしまう可能性があるのです。

また、高齢者がインフルエンザやノロウィルスに感染すると、重篤な脱水症状を引き起こすことが多いという事実は恐ろしいです。これにより、意識障害が起きたり、転倒してしまったりします。転倒により、要介護度が上がってしまうと、家族の負担も劇的に増えてしまいます。

そして、こうした感染症になると、介護サービスの利用に大きな影響が出てきます。とくにデイサービスなどでは、感染症になると、利用を数日から一週間程度断られることになります。ショートステイに泊まれないという自体になると、家族は非常に困ることになります。

介護サービスを使い続けるためにも!

繰り返しになりますが、要介護者が感染症にかかると、少なからぬ介護サービスが使えなくなります。そして、意外とこの事実を知らない家族も多いのです。しかし、ひとたび感染してしまうと、家族の日常生活や仕事、学校など、世帯全員に支障が出てきます。

そうならないように、感染経路に関しても十分に注意してください。二世帯住まいの場合、要介護者の感染には気をつけていても、孫が幼稚園や保育園、学校でウイルスをもらってきてしまうことも十分にありえます。

そうした場合、同居家族全員に感染のリスクが高まり、要介護者の介護はおろか、介護する側のご家族が動けなくなるかもしれません。それなのに、外部の介護サービスの利用は制限される可能性があります。介護生活における感染症が、非常に恐ろしい事態を招くということがご想像できるのではないでしょうか。

あたりまえの対策を徹底しましょう

手洗い、うがい、加湿、換気、予防接種などはもちろん、十分な睡眠や栄養をとって抵抗力をつけることなど、日頃からできる対策は色々とあります。要介護者の中には、マスクを嫌ったり、手洗いうがいを嫌がる人も少なくありません。家族全員で、感染症が流行する前から、習慣として予防対策生活をするなど、徹底しましょう。

そして、早期に発見できるように、検温したり、体調の変化をできるだけ細やかに把握できるような生活習慣も大切です。少しでも異変を感じたら、すぐに受診し、インフルエンザなどの検査をしましょう。

介護生活にとって、感染症は、通常の生活をしているとき以上に恐ろしいものです。早め早めの対策を行い、介護生活に生じる支障を少しでも減らせるようにすることが大切です。面倒なことも多いですが、きちんと乗り越えていきたいものですね。

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