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コンビニは、生活提案をする場です。限られたスペースに「なにを陳列するのか」という判断は、生活者に対して「こういう生活をするのはどうですか?」という提案の形になっているからです。
私たちの暮らしの少なからぬ部分が、コンビニへの依存性を高めているのは、疑えない事実でしょう。そうした中で、ローソンが介護コンビニの全国展開を進めています。これは「介護の負担を少しでも減らしませんか?」という提案です。
ローソンは埼玉県内を中心に介護事業を展開するウイズネットと提携し、川口市に介護拠点併設型の店舗をオープンしました。介護を必要とする高齢者や家族の生活をサポートするため、ケアマネージャーを日中、常駐させたほか、通常の品ぞろえに加え、おむつや高齢者向けの柔らかいレトルト食品など介護関連用品も扱います。店舗は通路を広めにして、車椅子でも利用しやすいようにしています。
出展:テレ朝ニュース(2015年4月3日)
ケアマネの常駐は、将来的な「ケアプランの有料化」を見越しているのは明らかです。また、地域包括支援センターの委託先としてのポジションも、当然狙ってくるでしょう。コンビニには、介護者・要介護者が、自分の生活のためにやってきます。その場で、介護に関することも処理できたら、助かります。
さらに、アルバイトの採用に苦慮しているコンビニとしても、ケアマネのところに相談者がいない「空き時間」を有効活用することで、一部ではあっても、コンビニの店員問題が解消されます。ケアマネが、おそらくはコンビニ店員も兼ねていくということです。
ケアプランが、コンビニで買えるようになったら、既存の介護事業者は、営業力ではコンビニに絶対勝てません。ケアプランの購入窓口がコンビニになり、既存の介護事業者は、そこからの委託事業を取りにいく「下請け」的なポジションを強いられます。
今年の4月に1号店を立ち上げた介護ローソンですが、すでに3号店の開店間近とのことです。これから、他のコンビニも追従することでしょう。これは、現在は介護に関係がない人も、介護に関心を持つことにも貢献します。
コンビニエンスストア大手のローソンが、介護相談窓口を併設し、介護向け商品を置いた店舗を新潟県上越市で10月16日に開くことが30日、分かった。2017年度までに介護ローソンを30店舗まで増やす方針で、全国各地の事業者と連携するモデルケースにする。
出展:中日新聞(2015年9月30日)
このまま行くと、コンビニは介護ステーション化していきます。介護コンビニの売上は、通常店舗よりも10〜20%程度高いという話もあります。この10〜20%に当たる売上は、しかし、本来はどこかの介護事業者のものだったわけです。
これが良いことなのかどうかを問うことはできますが、この流れを止めることは難しいでしょう。であれば、介護事業者としては、いかにコンビニと組んでいくかが求められます。
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