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もう無理だと思ったとき;介護系NPOへの連絡は検討しましたか?

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介護施設しかないというとき

ケアマネに相談しても、在宅では、被介護者の希望する介護サービスが受けられないこともあります。そうなると、一般の介護者は、介護施設への入所を検討するのが普通です。

しかし、介護施設への入所にはお金がかかり、なかなか決断できないケースも多いものです。もちろん、そうした状況は、在宅介護が難しい段階に入っていることを意味しているわけです。ですから、介護施設を検討するのは、正しいことだと思われます。

焼け石に水かもしれませんが、介護施設への入所を悩んでいるときは、同時に、介護系のNPO(利益を目的としない組織)がないか、調べてみることをオススメします。

ユニークな介護系NPOが出てきている

高齢化社会の到来によって、こうしたNPOの数は、年々増加しています。たとえば、最も重い要介護5の被介護者であっても、介護つきの旅行をアレンジしてくれるNPOなど、ユニークなものも出てきています。以下に、介護系NPOの全国実態調査から明らかにされた分析(論文)から、引用してみます。

介護系NPOの多くは制度外サービスを実施していることが明らかになり、それらが提供する制度外サービスには、(部分的ではあるが)介護保険制度等の既存の制度に基づくサービスのみでは充足できないニーズの補完機能を持つことで、地域のセーフティネットとして役割を持つことが期待された。しかし一方で、「財政上の課題」と「人材確保」が制度外サービス展開上の大きな共通的課題として存在し、また、積極的な制度外サービスの展開を図るには、組織理念を確立し、構成員間で共有する必要性が高いことなども推測された。

介護系NPOは、今の日本の介護制度ではカバーできないところを、なんとかしようとしてくれている存在なのです。そもそもNPOは、行政によるサービスの「隙間」を埋めることを期待される存在です。

さらに、NPOだけでなく、大学のボランティア・サークルなども調べてみると、その量と幅に驚かされます。ただ、こうした団体の中には、評判の良くないところもあるので、そこはやはりケアマネに相談しながらということになります。

そして、こうしたNPOやボランティアの善意に一方的に寄りかかるばかりでは、よくありません。先の引用でも見られる通り、NPOはほとんど例外なく、資金難と人材難に悩まされています。ですから可能であれば、こうしたNPOに寄付をしたり、自らも、なんらかのNPO活動に参加することを検討したいところですね。

※参考文献
・本郷・荒木・松岡・袖井, 『介護系NPOの現状と制度外サービス展開に向けた課題』, 福岡県立大学人間社会学部紀要, 2011, Vol. 19, No. 2, 1-18
 

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