KAIGOLABの最新情報をお届けします。
エン・ジャパンが、仕事との両立が難しいライフイベントについて調査をしています。予想できることですが、子育てと介護が大半を占める結果となり、特に介護は、回答者の85%が、仕事との両立が難しいとして最多でした。以下、exciteニュースの記事(2019年9月4日)より、一部引用します。
エン・ジャパン(東京)は、女性451人を対象に「仕事とライフイベントの両立」をテーマにアンケートを実施。それによると、仕事との両立が難しいライフイベントは何かを聞くと(複数回答)、最も多かったのは「介護」で、85%の人が挙げていた。次いで、多かったのは「子育て」。経験ありの人が75%、経験なしの人が80%とそれぞれ挙げるなど、少子高齢化を象徴するような回答となっている。(後略)
予想通りの結果とはいえ、意外と、結婚、子育て、旅行、その他の趣味などのライフイベントの中でも、介護がもっとも仕事と両立しにくいというデータはあまり存在していません。この調査結果は、今後、様々なところで参照されるものになると思います。
仕事と介護の両立が難しい理由には様々なものがあります。5つ列挙するなら(1)職場の理解が得にくい(2)急な休みが必要になる(3)介護保険制度が複雑で上手に活用するには相当な知識が必要(4)徐々に重度化していくことが多く負担が一定ではない(5)介護には終わりが見えない、といったことが理由の大きな部分を占めます。
そんな介護について相談したいときは、地域包括支援センターやケアマネが相談先となることが多いでしょう。しかし、介護を必要とする高齢者が急増していることと、介護業界が深刻な人手不足にあることが合わさって、地域包括支援センターもケアマネも多忙というケースがほとんどです。
さらに、こうした公的な相談先は、介護の専門家ではあっても、仕事と介護を両立させることの専門家ではないという点は、意外と大きな問題です。両立に苦しむ家族としては「どうすれば仕事もあきらめないで介護ができるのか」が知りたいのであって「どうすれば良い介護ができるのか」だけではなかったりするからです。
仕事と介護の両立が難しいということに関しては、人事部の認識も高まってきています。特に仕事と介護の両立は、幹部社員に発生するという特徴もあって、事業収益への影響も大きく、深刻に捉える経営者も増えてきています。
仕事と介護の両立に苦しんできた従業員からすれば「やっと」という話ではありますが、これからさらに、この問題は広く議論されていくことになります。大介護時代だからこその話であり、とにかく、過去よりも両立支援が受けられる時代になっていきます。
2025年問題と呼ばれている大問題が顕在化するまで、あと数年です。その時がきたら、世間一般の介護に関する啓蒙も進んでいるはずで、企業は、仕事と介護の両立支援によっても人材から評価されるようになるでしょう。時代は変わろうとしています。
※参考文献
・exciteニュース, 『介護と仕事の両立は難しい!? 将来の備えにスキル磨きや資格取得を』, 2019年9月4日
KAIGOLABの最新情報をお届けします。