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仕事と介護の両立を頑張っている人にとって、特に、夜間の排泄介助は、深刻な問題です。しっかり眠ることができなくなれば、仕事を続けることが困難になるからです。こうした夜間の介護について、総務省のケアマネへの調査によれば、かなりの不足がみられることがわかりました。
平日の昼間に利用できるサービスについては「やや不十分」「不十分」の合計は19.0%(ケアマネ99人/521人)でした。一応、平日については8割のケアマネが「なんとかなっている」というイメージを持っているのです。しかし平日の夜間についてはこれが77.8%(ケアマネ404人/519人)と、一気に不足感が高まっていることがわかります。
また、土日(祝日)の昼間については58.8%(ケアマネ304人/517人)が不足を述べています。そして土日(祝日)の夜間については不十分との回答が84.2%(ケアマネ437人/519人)と、最悪の数字になっているのです。
この結果から言えるのは、在宅介護をしていると、夜間と休日の休息時間がなくなるということです。夜間と休日には、介護サービスが受けられないので、そこは介護をする家族が負担を背負うことになるからです。
平日は眠い目をこすりながら仕事をして、夜間と休日は自ら介護をしているビジネスパーソンの姿がイメージされます。プライベートなど、とても考えられない状況です。今現在、実際にそうした介護をしているビジネスパーソンは多数いるわけです。
そんな介護が長期的に続いたら、仕事など続けられなくなって当然でしょう。仕事と介護の両立と、口でいうのは簡単なことです。しかしその現実が、夜間と休日ゼロの生活であるとするならば、仕事と介護の両立など不可能なことです。
具体的に、夜間と休日の介護サービスが提供できるのは短期入所生活介護、通所介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護といった介護事業者です。しかし、この人材難の時代、こうした介護事業所で、夜間の厳しい労働を低賃金で引き受けてくれるような人材がどこにいるというのでしょう。
夜間と休日の介護サービスが不足しているのは、介護業界で働く人材が不足しているからに他なりません。そしてこの人材不足の原因は、介護業界の待遇が悪すぎるからであることは、これまでになんどもKAIGO LABでも指摘してきました。
早急に、介護業界の待遇改善を実現しないとなりません。自分には関係ないと考えていられるのは、まだ、親の介護がはじまっていないからです。しかし実際にこれがはじまってから、この問題に気づいても遅い可能性も高いのです。
※参考文献
・総務省, 『介護施策に関する行政評価・監視 -高齢者を介護する家族介護者の負担軽減対策を中心として- <結果に基づく勧告>』, 2018年6月19日
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