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介護のカミングアウト;当事者が注意すべきこと【説明するときの3つのポイント付き】

介護のカミングアウト

介護のカミングアウトにはリスクもある

今のところ、介護をカミングアウトすると、昇進・昇格が不利になる可能性があります。まだ、仕事と介護の両立支援制度が貧弱なところも多く、カミングアウトしても見返りがない場合もあります。

カミングアウトする前に、自分のいる会社が、どのような介護支援制度を持っているのか、確認してください。カミングアウトするのは、その中身が、十分に魅力的な場合になるでしょう。

しかし、そうした余裕もなく、有給の取得なども限界にきている場合もあります。こうした場合は、カミングアウトせざるをえないことになります。こちらの場合の注意点について、考えてみます。

上司の理解を得ることが最大の関門

人事部は、仕事と介護の両立に関心を持っており、協力的な場合が多いと思われます。人事部員は、傾向として、従業員を守ることについて情熱を燃やす人々ですから、きちんと説明すればわかってくれるでしょう。

難関なのは、上司からの理解です。上司が、介護に苦しんだ経験がある場合は、話が通りやすいです。しかし、上司の世代は、介護を経験していたとしても、実際の介護は専業主婦が担っていたりして、介護を軽く考えている可能性もあります。

特に難しいのは、上司には介護の経験がなく、理解もまたない場合です。こうした場合は「介護とはなんなのか」という説明からしないとならないからです。これには、かなりの労力が必要になります。

人事部と一緒に、上司に説明を行う

まず、上司に時間をもらって、介護が落ち着くまでは、有給などが必要になることを話しましょう。そのときに、上司がどれくらい介護について理解があるか、だいたいわかるとおもいます。

また、人事部にも相談する旨を伝えましょう。上司をすっとばして、いきなり人事に相談すると、後で上司が「順番が違うのでは?」とへそを曲げるかもしれないからです。

その上で、人事部と一緒に、上司に説明を行います。説明の内容としては(1)見通しが立つまでには最低1ヶ月はかかること=要介護認定+ケアマネ設定までの期間(2)それまでは急な入退院対応などで突発的に休む必要があること(3)ここを越えたら運がよければこれまで通り働けるが、運が悪ければ仕事と介護の両立について、上司の協力が必要になること、の3点です。

人事部からは(1)仕事と介護の両立は会社としての死活問題になりえる重要なものであること(2)具体的には突発的な休みや時短勤務が必要になる可能性があることと、そのバックアップ体制について一緒に考えていくこと(3)会社の介護支援に関する基本的な説明と、その運用について協力を求めること、の3点について説明してもらいたいです。

いきなり会社を辞めることを考えないこと

過去に記事にしていますが、介護を理由に会社を辞めると、負担はかえって増えますし、再就職までに1年以上かかるケースも多いです。介護離職のリスクは、相当高いと考えてください。

介護の初期は、パニック状態になりますし、病院からの呼び出しも多く、対応が後手後手になって大変です。しかし、要介護認定が終わり、ケアマネが設定されるところから、介護の負担は一気に楽になります。

また、介護についてしっかり学ぶと、さらに負担を減らしていくことも可能です。うまくいけば、仕事は、これまで通り普通にこなせるような日も来ます。そこまでの旅は大変ですが、なんとか仕事と介護を両立する人材になってください。

仕事と介護の両立を上手にこなす人材になれれば、会社からしても、ありがたい存在です。人事部としては、ロールモデルとして、仕事と介護に悩んでいる他の従業員の相談に乗ってもらいたいですし、介護研修では社内講師になってもらいたいはずです。

まだわずかですが、介護をきっかけとして、社内でロールモデルになり、社内人脈を広げる人材もいます。介護に悩む会社の仲間の相談に乗っているうちに、仕事で便宜を図ってもらえるようになり、仕事がやりやすくなるというケースもあります。

介護は誰にとっても大変です。そしてこれからは、従業員の誰もが、定年退職するまでには介護の問題に直面します。理想論ですが、誰にとっても大変な介護について詳しくなり、仲間を助けることができるとすれば、それは素晴らしいことだと思います。
 

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