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理研と東海ゴム工業は、介護支援ロボット「RIBA(リーバ)」(Robot for Interactive Body Assistance)を開発しています。現在は「RIBA-II」まで開発が進んでおり、今後の実用化に期待が集まっています。まずは「RIBA-II」の動作を以下の動画で見てみてください。
介護の現場では、要介護者をベッドから車イスやトイレに移動させる(移乗する)ときに、その身体を持ち上げるといった動作(リフト)が発生することが多くあります。これが結果として、介護に関わる多くの人の悩みである「腰痛」の原因になっています。
これを受けて、オーストラリアで発展した、持ち上げない介護(ノーリフト)というものも、日本国内で少しずつ広がりを見せています。ただ、こうした持ち上げない介護には、新たな器具が必要であることも多く、すぐに定着するといった希望的な見込みはありません。
そうした中「RIBA」のような介護支援ロボットが出てくることは、とても嬉しいことです。まずは、介護のプロに使ってもらって、様々なノウハウをそこでロボットに吸収させた上で、一般への広がりがあることを期待したいです。
こうしたロボットが、介護のプロの仕事を奪うのかというと、今の日本では「NO」です。なぜなら、先の動画を見てもらえれば明らかなとおり、ロボットには指示が必要であり、そうした指示出しをするのは、介護についての知識が豊富な人であるべきだからです。
また、そもそも介護のプロの仕事は、要介護者の自立を助けることであり、要介護者の身体を持ち上げることは、その一部にすぎません。ロボットが導入されれば、より付加価値の高い、ライフマネージャーのような仕事に時間をかけることが可能となります。
ただし、こうしたロボットの登場によって、これまで通用していた介護技術が古いものになることはありえます。いかなる仕事でも同じことですが、一つのスキルが、ずっと有効ということはあまりないので、そこは介護のプロとはいえ、新たな勉強も必要になってくるのでしょう。
介護現場における労働力不足が、こうしたロボットによって少しでも解消したら嬉しいです。また、介護現場で長年の懸案だった職業病である腰痛が、少しでも改善されることを願っています。
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