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エイジングテック(Aging Tech)の時代に

エイジングテック(Aging Tech)の時代に

超・高齢化社会の課題

日本は、世界に先駆けて超・高齢化社会に突入しています。1950年には5%未満だった日本の高齢化率は、2017年時点で27.7%となっています。厚生労働省によれば、この日本の高齢化率は、2030年に31.6%、2040年に36.1%、2050年に38.8%、2060年に39.9%にまでなると予想されています。

こうした状況は、何も日本だけの話ではありません。現在の先進国では、軒並み高齢化が進んでいます。ただ、日本はその最先端にあるだけです。かつては子供が多く、高齢者は少ないという時代がありました。これが鏡のように逆転し、子供が少なく、高齢者が多いという世界がやってくるのです。

そんな高齢者のためのテクノロジーは、どんどん開発されていきます。The SV Startups100の記事(2019年3月25日)によれば、その市場規模は、なんと、世界で数十兆円にもなるそうです。こうした、高齢者のためのテクノロジーを総称してエイジングテック(Aging Tech)と言います。

エイジングテックで日本は存在感を示せるか?

世界で大きく成長してきたIT産業は、日本でも多くの雇用を創出することになりました。しかし、日本で生まれて世界に大きく羽ばたいたIT企業は、今の所、ほとんど存在していません(ハードウェアであれば多数ありますが)。

日本のIT企業の場合、アメリカなどの欧米で生まれた企業を模倣し、日本にローカライズしたような企業が多くなっています。この本当の原因はわかりませんが、日本は、文化的に、投資の速度と規模が求められるIT産業にはあまり向いていないということなのかもしれません。

では、エイジングテックでは、どうでしょうか。少なくとも日本は、高齢化では世界の最先端にあります。さらに「おもてなし」というような気配りについても世界で認められています。ここでも投資の速度と規模が求められるとは思いますが、市場は最高齢になっていて、最先端という有利性はあります。

介護問題の爆発前夜にある

2025年には、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になります。後期高齢者になると、介護を必要とする人(要介護出現率)が急激に増えることが知られています。このため、日本における介護問題は、2025年以降、よりはっきりとした形で顕在化することが予想されています(2025年問題)。

2025年には、認知症の高齢者は700万人、認知症一歩手前の軽度認知障害の高齢者は400万人となり、合計で1,100万人の人が認知症に苦しむと考えられています。これは、実に、日本人の10人に1人という割合です。

今後、親に介護が必要になる人が急増するわけです。そうした人の中には、親の介護をきっかけとして、事業の構想を生み出し、エイジングテックを用いた新事業を始める人も出てくると考えられます。実際にその負担を体験したからこそ生まれる新事業であれば、成功確率も高くなるかもしれません。

エイジングテックの時代に、日本は具体的に何をするのか、問われています。とにかく成り行きでは、激増する介護をさばくことはできず、多くの人が悲惨の中心に飛び込むことになってしまうのです。

※参考文献
・The SV Startups100, 『【特集】超高齢化社会のイノベーション「エイジングテック」』, 2019年3月25日

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