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ユニバーサルデザイン(UD)のタクシーが増えている

ユニバーサルデザイン(UD)のタクシーが増えている

ユニバーサルデザイン(UD)の大切さ

ユニバーサルデザイン(UD)の考え方は、今後の日本を考える上で、非常に大切です。ユニバーサルデザインとは、健常者と障害者を分けて考えるのではなく、どちらも普通に(ユニバーサルに)使えるように考えてデザインされている物やサービスの総称です。

たとえば、介護が必要になった場合、食事は、細かくきざんだ「きざみ食」になることが多いものです。しかし本当は、昔から食べてきたものを、そのままに食べたいものでしょう。そもそも、普通の食事が、健常者でも障害者でも、どちらでも問題なく食べられるように調理されていたら「きざみ食」のようなものはいらないのです。

介護食の市場規模は、2.5兆円と、非常に大きいと考えられています。しかし、この市場は、まだまだ開拓が進んでいません。その背景にあるのは、ユニバーサルデザインという考え方の欠如です。「介護が必要な人のために」と頑張れば頑張るほど、ユニバーサルデザインからは遠ざかってしまうわけです。

ユニバーサルデザイン(UD)のタクシー

最近、背の高い箱型のタクシーが増えていることに気づいているでしょうか。中は広々としており、特に心身に障害のない人であっても、気持ちいデザインになっています。あのタクシーの多くは、車椅子が必要な人でも乗車できるようになっていて、まさにユニバーサルデザインを代表する事例なのです。

普通のタクシーなのに、誰でも、自由な目的で利用することができます。これは、世界でもっとも高齢化している日本にこそ、必要な考え方です。以下、NEWSポストセブンの記事(2018年9月25日)より、一部引用します。

いま、体が不自由でひとりではなかなか外出が難しい方のために、「UD(ユニバーサルデザイン)タクシー」や「介護タクシー」と呼ばれるものが登場している。この2つの違いは、一般向けか要介護・要支援者向けであるかの差。

「UDタクシー」は広々とした空間で、車椅子に乗ったまま乗車できるが、あくまで一般向け。料金も一般のタクシーと同じだ。一方の介護タクシーは、公共交通機関での移動が難しい人を対象にしたもの。車椅子やストレッチャーを乗せられ、予約を必要とする。料金の確認も必要だ。(後略)

ユニバーサルデザイン(UD)大国へ

日本がユニバーサルデザイン大国になり、そうした物やサービスを世界に輸出することができたら素晴らしいでしょう。その最大のチャンスが、東京パラリンピックであることは間違いありません。その東京パラリンピックを、日本のユニバーサルデザインの見本市とすべく、多くの企業が努力しています。

日本の高齢化をビジネスチャンスとして考え、今現在、企画を立案している人も多いと思います。そのときは、ユニバーサルデザインの考え方を大切にしながら、東京パラリンピックに製品リリースのタイミングを合わせていくことが大事になってきます。

ユニバーサルデザインだけで、介護の問題は解決したりはしません。日本の介護には、絶望としか言えないことも多くあります。ただ、やはりピンチはチャンスです。このピンチを活かし、日本はどのような社会を築いていくのか、そこに世界の注目が集まっています。

※参考文献
・NEWSポストセブン, 『介護タクシー「近くでもいいので外出したい」を叶えたい』, 2018年9月25日

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