閉じる

介護ロボット市場は立ち上がるか?いったん縮小した市場が回復

介護ロボット市場は立ち上がるか?いったん縮小した市場が回復

介護ロボットに期待されることは多い

人材不足が深刻化している介護業界において、大きな希望とされているのが、介護ロボットの存在です。介護ロボットというと、人間に代わる仕事をこなしてくれるイメージが強くあります。しかし実際に開発されているのは、介護を支援してくれる介護ロボットであり、人間による介護の生産性を高めるのに貢献するようなものがほとんどです。

たとえば、この KAIGO LAB を運営する株式会社 steekstok も、株式会社abaという、排泄センサーを用いた介護ロボットを開発する会社に投資をし、お手伝いもしています。以下、介護ロボットのイメージをつかんでもらうために、この株式会社abaの介護ロボット「Helppad」のプロモーション動画をご覧ください。

介護ロボット市場が縮小した?

そんな介護ロボットですが、昨年度(2017年度)には、市場が縮小してしまいました。この背景は、国家プロジェクトとしてつけられていた予算が終了したことがあります。その市場が、回復してきているというニュースが入ってきました。以下、Tech Facotryの記事(2018年8月28日)より、一部引用します。

2017年度の国内介護ロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比85.3%の14億3400万円と縮小。一部タイプの介護ロボットで需要が伸長したものの、2016年度で国家プロジェクトがいったん終了したこともあり、全体としては縮小傾向となった。

2018年度の国内介護ロボット市場規模は、全タイプで拡大に転じるとみられており、前年度比134.7%の19億3200万円まで回復する見込みだという。(後略)

いったんは縮小した介護ロボット市場は、これから回復し、大きく成長していくということです。ただ、現在の20億円にも満たない市場規模は、あまりにも小さすぎて、一部の先見性のあるプロの投資家を除けば、ほとんどのビジネスパーソンが無視するようなレベルです。ここがどれだけの速度で大きくなっていくかが鍵なのです。

今はまだ、急激な成長は見込めないものの・・・

とはいえ、そもそも介護業界は儲からない業界です。介護事業者は、現在の好景気にも関わらず、毎年、過去最高の倒産件数を記録するような状態にあります。そんな介護事業者には、こうした介護ロボットを導入するための費用があるはずもありません。

それでも、人材不足から、少しつつではあっても、介護ロボットを使って生産性を向上させるという流れは消えません。現在は赤字でも、介護ロボットを導入することで黒字化に成功する介護事業者も生まれてくることでしょう。

テクノロジーの進化はとまりません。問題は、介護ロボットの開発が、介護業界が倒壊していくのを食い止めることに間に合うかというところです。これが間に合わないとき、日本の高齢者福祉は、目も当てられないような悲惨な状況になります。みんなで、介護ロボットの開発を応援していきたいものです。

※参考文献
・Tech Factory, 『着実な成長を続ける国内介護ロボット市場、2021年度の市場規模は37億6500万円に』, 2018年8月28日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由