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スイーツ(お菓子)を食べることに、どのような理由があるのか?(女性限定のケース)

スイーツ(お菓子)を食べる意味

女性は、お菓子を(ほぼ)毎日食べている!

高齢者(女性)の60.7%、高校生(女性)の73.3%は、お菓子をほぼ毎日(週に4〜5回以上)食べているという調査結果があります(大西, 2015年)。同調査で、高齢者の好みは「米菓(せんべい、あられ)」や「まんじゅう」を好むようです。これに対して、高校生は「チョコレート」や「スナック菓子」を好むということがわかっています。

この調査が面白いのは、こうした高齢者と若者の好みの違いだけでなく「お菓子を食べる理由」についても調査していることです。以下、その調査結果を示してみます。

お菓子を食べる理由

高校生は「おなかがすいたとき、おいしいものを」食べるという、生物的に合理的な選択をしていることがわかります。高齢者は、全体としては、特に理由なくお菓子を食べているようですが、着目したいのは「コミュニケーション」や「心の平静」のためにお菓子を食べるという割合が、高校生と比較して大きいという部分です。

高齢者(女性)にとっての、お菓子の意味を問い直す

高齢者になると、女性にとってお菓子は「おなかがすいたとき、おしいいものを」食べるという意味以上のものが出てくると考えられます。それは「一緒に食べない?」という具合に、コミュニケーションのきっかけをつかむ手段だったり、気持ちを落ち着けるための手段だったりするわけです。

高齢者になると、噛んで、飲み込む(嚥下)の力が落ちてきます。いつかは、ついに、普通のお菓子は食べられなくなるときがくるでしょう。このとき、高齢者の女性にとっては、お菓子が食べられなくなるというだけでなく、それによってコミュニケーションの機会を失ったり、気持ちを落ち着ける手段を失ったりするという視点も大事になるでしょう。

介護食は、噛んで、飲み込む力が落ちている高齢者でも、食べられるように調理されています。しかしその多くは、栄養補給ということだけを目的としていることは、大きな間違いかもしれないのです。

「噛んで、飲み込む力が落ちている高齢者でも、家族や友達と分け合い、楽しんで食べられるお菓子」というものが求められていると考えられます。特に、高齢者にとってコミュニケーションの活性化は、認知症の予防になったりもします。介護食を製造・販売しているメーカーは、ぜひ、この分野への進出も考えていただきたいです。

※参考文献
・大西梨沙, et al., 『高齢者と高校生を対象とした菓子に関する意識調査』, 名古屋文理大学紀要 15, 63-67, 2015-03-31
 

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