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高齢者こそ、肉を食べるべき?管理栄養士の存在を認識しておきたい

高齢者こそ、肉を食べるべき?管理栄養士の存在を認識しておきたい

食生活こそが健康を支えている

健康を支えている要素には様々なものがあります。そうした中でも、食生活の重要性は、強調してもしきれません。しかも、こうした食生活は、ただ、健康によさそうなものを、なんとなく摂取するということでは不十分なのです。健康寿命を伸ばすには、年齢に応じた、きめ細かな調整が求められます。

こうしたきめ細かな調整について、NEWSポストセブンが、アンチエイジングの専門家である白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二先生へのインタビュー記事(2018年7月29日)をアップしています。以下、その内容から、一部引用します。

「年齢を重ねれば健康長寿に必要な栄養素や、身体の栄養摂取や排出のメカニズムが変わってくる。そのため、若年や中年の頃とは異なる食事の仕方が必要になります。ゆえに65歳以上をシニアと一括りにするのではなく、年齢に応じたきめ細やかな対策が必要になります」(中略)

「『高齢者ほど粗食がいい』という考えは間違いです。肉を抑える食事が必要なのは生活習慣病になりやすい40~50代であり、65歳以上の高齢者は重要なたんぱく源である肉を食べたほうがいい。粗食になると栄養が不足して、むしろ老化が進む怖れがあります」(後略)

管理栄養士というプロを頼っていきたい

簡単なことと考えず、介護が必要になった場合はもちろん、そうでなくても、管理栄養士への相談をする機会を持ちたいものです。管理栄養士は、おもに健康な人を対象とした栄養士とは異なり、病気の人や高齢者を対象とする、栄養士よりも専門性の高い国家資格です。

管理栄養士は「食と栄養に関する最高峰の資格」とも言われます。高齢者として、そうした専門家からのアドバイスを受けることができたら、健康寿命を伸ばすことにもつながるでしょう。逆に、後になって管理栄養士に相談しておけばよかったとなるのは、本当に残念なものです。

こうした管理栄養士は、日本には累計20万人います。栄養士は累計100万人です。活躍の場は様々で、地域包括支援センターやケアマネに相談すれば、紹介してもらえるはずです。あらためて、食生活こそが人々の健康を支えており、健康寿命を伸ばすには、こうした専門知識が求められます。

介護はチーム戦であるという認識を持ちたい

自分の仕事について「一人前になるまでに何年かかりますか?」と聞かれたとします。そのとき、普通は5〜10年くらいは必要と答えるのではないでしょうか。介護もまた、プロが活躍する世界であることを忘れないでください。いきなり素人が手を出して、上手にできたりはしないのです。

介護には、様々な専門知識が必要です。それぞれに資格があり、その分野を専門に学んできた人々がいます。そうした人々を頼りながら生きるというのは、介護に限らず、この社会のありかたそのものでしょう。私たちは、自分とは異なる専門性を持った人々に助けられないと、生きていけないのです。

介護に関わっていて、また、介護予防を考えているなら、食について見直すことは必須のことです。日々の仕事においては、よく知らないことを、勝手に進めて失敗するといったことはないでしょう。介護もまた、よく知らないのに、勝手に進めてしまってはならないことであり、専門家を巻き込んだチーム戦なのです。

※参考文献
・NEWSポストセブン, 『「高齢者は粗食が良い」は間違い むしろ老化が進む怖れも』, 2018年7月29日
・日本栄養改善学会, 『管理栄養士・栄養士をめぐる社会的動向』, 平成29年度 管理栄養士専門分野別人材育成事業, 「教育養成領域での人材育成」 第1回親会議

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