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ホテルに付属している高級レストランなどでは、顧客のアレルギーの有無や好みなどを聞くということは、昔からありました。そうしたとき、高級レストランは「高齢者がいるので、やわらかくて食べやすいものをお願いします」というお願いへの対応をしてきたわけです。
日本において、料理人は職人として尊敬される人々です。ものすごくプライドも高いので、高級レストランにできることが、自分たちにできないとは考えません。ですから、要望さえあれば、技術的には高齢者向けの食事にも対応できるという料理人は、もともと多かったわけです。
そして、ここは意外と忘れられがちですが、料理人は、自宅でも、自分たちの家族向けに料理を振舞うことがあります。高齢化社会にある日本では、料理人がプライベートで料理を振舞う家族の中に、高齢者が増えてきているわけです。
つい最近、KAIGO LAB編集部の一人も、知り合いの料理人から「ばーちゃんの食事を作ることが多くて、介護食にも強くなったよ」といった発言を聞くことがありました。また、寿司屋の中には、お願いすれば、ちらし寿司をおかゆにしてくれるところも知っています。
顧客からの介護食の要望が増えていて、かつ、料理人も介護食への知見をためてきているわけです。であるなら、一般のレストランで、介護食を出せるところが増えていくのは、当然の流れでしょう。
メニューに「お子様ランチ」が入っているレストランは、昔からありました。同様にして、これからは「ご高齢者向けメニュー」を準備しているレストランも、どんどん出てくるはずです。以下は、最近のニュースです。
かむ力と飲み込む力が衰えたお年寄りや障がいを持った人向けに、介護食は食材を細かく刻んだり、やわらかくしたりする。手間はかかるが、対応するレストランや旅館が増えてきた。見た目が通常の料理と変わらないものもある。食欲がでて、お年寄りが外出しようとするなど生きがい創出に役立っている。
摂食・嚥下(えんげ)機能が低下した高齢者に、クリスマスなど特別な日向けの介護食を提供するホテルやレストランが増えている。食べやすいようにすりつぶしたり、柔らかく煮込んだりしているが、見た目は一般的なフランス料理や懐石料理。「華やかな気分で食べる喜びを味わえる」と高齢者はもちろん、介護する家族にも好評という。
たとえ要介護車がいても、記念日などに、家族があつまってワイワイとやることを考えてみてもよい時代なわけです。
以下、レストランを予約するときに、しっかりとコミュニケーションを取って確認しておきたいことなど、注意点をまとめてみました。参考にしていただけたら幸いです。
(1)車椅子でも問題ないか;バリアフリー度の確認(特に車椅子用トイレの有無)
(2)料理が、単に細かく刻んだだけの「きざみ食」レベルではないことの確認
(3)介護食の提供は過去に経験しているかどうかの確認
(4)食べ物の見た目;要介護者だけがあまりに見た目の違う食事にならないように
(5)とろみ調整食品を持ち込む;スープや飲料などにとろみが足りないときのため
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