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とろみ調整食品;要介護者にとって安全で栄養補給に適した食品

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とろみ調整食品とは?

簡単にいうと、様々な液体に粉末状の「とろみ調整食品」を加えることで(1)安全性を高め(2)低栄養状態を予防し(3)水分補給を促進することが可能になります。

現在、企業が提供する「とろみ調整食品」は第三世代と呼ばれるものになっており、過去の片栗粉などのように加熱の必要がなく、安全性も高く、無味無臭で、かつすばやく「とろみ」がつくといった特徴があります。

以下動画(1分程度)は、「とろみ調整食品」のイメージをつかむのに最適です。ただ、特定商品の広告用ビデオなので、その点は差し引いてください。
 

安全性が高まるのはどうして?

高齢者の窒息による死亡が増加しています。それは、飲食物を飲み込むとき、飲食物が、食道ではなく気管に入ってしまうことで発生しています。これを、医学用語で「誤嚥(ごえん)」と言います。

これは、老化により飲食物を飲み込むときの力が弱まっていたり、神経の働きが悪くなっていることで発生すると考えられています。最悪は、自分の唾液でも「誤嚥(ごえん)」が起こるので、口の中のケアも大事になってきます。

年齢に関係なく、飲食物が気管に入ってしまうと、ゲホゲホと「むせる」ことがありますよね。あれは、気管に入ろうとする飲食物をなんとか押し出そうとする反射なのです。老化により、そのゲホゲホと押し出す力さえも弱まっていると、危険です。

この「誤嚥」がひどくなると「誤嚥性肺炎」に発展します。これは、細菌が唾液とともに肺に流れ込むことで生じる肺炎です。実は、高齢者の肺炎の70%以上が「誤嚥」に関係しているそうです。

食べ物を飲み込む力が衰えると「誤嚥」が起こります。それにより発生する「誤嚥性肺炎」は、再発を繰り返しやすいものです。そのための治療も、回数が上がってくると「耐性菌」が生まれてしまいます。すると、抗菌薬治療がきかなくなり、死亡原因にもなってしまうそうです。

飲料は、飲み込む準備ができていないところに急に入っていくので、この「誤嚥」が起こりやすいのです。そこに「とろみ調整食品」を加えると、飲料の粘性(ねばり)が高まり、飲料と食品の中間的なものにできます。結果として「誤嚥」の予防になるというわけです。ただ、粘性が高すぎると、逆にまた「誤嚥」の原因にもなるので、注意が必要です。

低栄養と脱水を防げるのはどうして?

「とろみ調整食品」には、栄養素が追加されています。このため、低栄養になりがちな高齢者の栄養補給を助けます。また、高齢者にとって飲料は怖いので、粘性の低いものは嫌煙しがちです。が、「とろみ調整食品」が加えられているものは、飲むというよりも食べるものなので、口に運びやすいという特徴があります。

水分は、成人男子の人体において体重の約60%(高齢者は約55%)を構成しています。それが毎日、呼吸や排泄などを通して、1.5リットル程度が失われていきます。失われる水分を日々補給することが大事なのですが、これを怠ると脱水になります。脱水は、重度になると生命の危険を引き起こします。

具体的な「とろみ調整食品」の例

たくさんの会社が「とろみ調整食品」を製造しています。もちろん、それぞれに特徴があって、そこは好みに応じて選択すべきでしょう。ただ、はじめのうちは、商品が多すぎて、どれを選んでよいやらわからないと思います。

そんなときは、なじみのある「森永」「明治」「日清」といったブランド企業のものを検討してみるとよいかもしれません。もちろん、少しでも不安があれば、医師、看護師、ケアマネやヘルパーに相談することも忘れないようにしましょう。

森永 つるりんこ Quickly 3g×30本明治 とろみ調整食品 トロメイクSP スティック 2.5g×40包日清オイリオ トロミアップ エース 3g×50本

※栄養士ウェブ, 『飲み込みやすくするために』
 

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