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学生だったころを思い出してください。立派な教科書を持っていたことでしょう。そうした教科書を、初めから終わりまで、通して読むこと(通読)はできましたか?多くの人にとって、教科書を通読することは、苦痛だったと思います。途中で投げ出したことのある人も多いでしょう。
人生に必要な、大概のことについては、教科書と呼ばれるものが存在しています。こうした多数の教科書を通読することができたら、私たちの悩みは、ずっと少なくなるはずです。そうしたことは明らかなのにも関わらず、多くの人は教科書の通読が苦手です。
介護についても、同じことです。介護の教科書と呼べるものは、多数出版されています。こうした教科書をいくつか読めば、それだけで、介護の負担は軽くなります。しかし、そうした介護の教科書を通読できる人は、決して多くはありません。
教科書の内容はすっかり忘れてしまっていても、授業の内容とは関係ない先生の話(脱線)は、しっかりと記憶に残っていたりします。実際に、教科書を真面目に進めるばかりの先生の授業よりも、こうした脱線の多い先生の授業のほうが面白かったはずです。
予備校の講師も、生徒の集中力を維持するため、ただテキストを読むばかりの人はいません。特に人気講師ともなれば、授業に関連することも、しないことも、上手に織り交ぜながら、その科目の魅力を伝えたりもします。
ダメな教師は教えようとします。これに対して優れた教師は生徒の心に火をつけて、自発的に学ばせるのです。教科書には、こうした優れた教師が行っているような、生徒の心に語りかける仕掛けは入れられません。どうしても、特にその分野にまだ明るくない初学者には、脱線という名の心に火をつける小話が必要なのです。
心理学的には、こうした脱線の価値は、ツァイガルニック効果で説明することが可能です。テレビを見ていて「続きはCMの後で」と言われると、続きが気になってしまうというアレです。連載漫画や小説も、続きが気になるように物語を作ることで、ファンを増やすことができます。
網羅的に全てが書かれている教科書に魅力が感じられない背景にも、教科書にはツァイガルニック効果が期待できないという面もあるでしょう。そこで優れた教師は、本当は話せば長くなる小話をして、その続き(より詳細な情報)が教科書に書かれているように授業を組み立てたりもするわけです。
もうお気づきになると思いますが、KAIGO LAB のようなメディアが狙っているのも、こうした効果です。全体を本としてまとめてしまうのではなく、断片的で幅広い情報を投げかけることで、読者が、それぞれに興味のあるところから介護の勉強に向かっていける手助けになることを目指しています。
実は、KAIGO LAB は、これまでの2年間で、本にしたら20冊ほどの量の情報を発信しています。「いつも KAIGO LAB を読んでますよ」という嬉しいコメントをいただくことがあります。しかしそうした読者であっても、まさか自分が、それだけの量の情報を得ていることには自覚的でないでしょう。
毎日気軽に読めるのですが、いつのまにか、相当な量の情報に触れて、介護への理解と関心を持った読者が増えていくことが、私たちの喜びです。もちろん、そこからもっと本格的に介護の勉強に向かう人が出てくれば、もっと嬉しいです。
どのみち介護は、長期戦です。そしてその中身は非常に奥深く、ちょっとやそっとでは全体像をつかむことさえできません。だからこそ、介護をする人々は、自分にとっての予備校の人気講師を見つける必要があります。もしそれが、KAIGO LAB であったなら、本当に光栄な話です。
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