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介護保険制度では、訪問介護(ヘルパーによる介護支援)における生活援助の内容が決められています。それらを、参考文献(黒澤, 2013年)を見つつ、以下に表として示します。内容は、介護保険制度の改正とともに変化する可能性もあるので、注意してください。
掃除 | 居室内、トイレ、卓上などの清掃、ゴミ出し、後片付けなど |
洗濯 | 洗濯機、手洗いによる洗濯、洗濯物の乾燥(物干し)、洗濯物の取り入れと収納、アイロンがけなど |
ベッドメイク | ベッドのシーツ交換、布団カバーの交換など |
衣類の整理 | 夏物・冬物などの入れ替え、簡単な補修(ボタン付け、破れのパッチなど) |
調理・配膳 | 一般的な調理、配膳、後片付け |
買い物・薬の受け取り | 日常品などの買い物、薬の受け取りなど |
上の表をみると、家事の経験者であれば、誰でもできることのように感じられるかもしれません。しかし、訪問介護における生活援助とは、要介護者の自立を目指す支えとしての意味があり、言われるがままに、なんでもやってあげるということではありません。
基本的には、要介護者が自分でできることは、できるだけ自分でやってもらうという方針を前提にしています。そうした中で、要介護者が一人ではこなせないことを手助けしたり、全くできないことであれば代わりにやってくれるのが生活援助です。要介護者が、自立した生活を営むために、最低限必要なことに介入してくれるのが生活援助というわけです。
要介護者の中には、なんでもやってくれるお手伝いさんが来てくれたと誤解する人も少なくありません。ヘルパーは介護の専門家であって、お手伝いさんではないということについては、しっかりと認識しておきたいです。
これまでは、こうした生活援助は、要介護1以上であれば、介護保険でカバーされてきました。金額にすると、1時間あたり300円程度だったのです(実際の金額は諸条件により異なるので注意してください)。
しかし、2017年からは、要介護1、2は、こうした生活援助が介護保険の適用外になる可能性が高まっています(厚生労働省の方針として固まった)。そうなると、生活援助は要介護3以上の人のみ、介護保険で利用できることになります。
とはいえ現実には、要介護1、2であっても、生活援助が必要な人も少なくないでしょう。その場合は、介護保険外として、1時間あたり3,000円程度の金額を支払って、生活援助を受けることになります。
【追記:2016年10月10日】
厚生労働省は、一旦、要介護1〜2の要介護者向けの生活援助を、介護保険の適用範囲として継続する方針を示しました。いつまで継続されるかは不明ですが、ありがたい話です。
※参考文献
・黒澤 貞夫, et al., 『介護職員初任者研修テキスト』, 2013年
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