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家族の介護は突然やって来るというのが、多くの介護者の実感です。ほんの些細な気づきが後の介護に良い影響をもたらしますので、初期段階でのサインを見逃さない事はとても大切です。なぜなら、初期段階で介護をはじめると、それ以上、介護が大変になることの予防になるからです。
プロによる要介護認定におけるチェック項目から、以下、いくつか参考になりそうなものをピックアップしてみます。簡易チェックリストとして、ご利用いただけたら幸いです。
1. 身体のどこかに麻痺などが見られる
2. 関節が動く範囲がかなり限定されている
3. 寝返りをうつときに、いつも物につかまっている
4. 起き上がるときに、いつも物につかまっている
5. 歩くときに、いつも物につかまっている
6. 風呂に入るとき、家族などに手伝いを求める
7. 尿意・便意を認識できず、トイレに間に合わない
8. 排便後の後始末がうまくいかず、下着をよごしてしまう
9. 食事をするとき、よく食べ物をこぼしてしまう
10. 衣服の脱着が、一人ではうまくいかないことがある
11. ひどい物忘れがある
12. 意志の伝達がスムーズにできない
このように、外から観察できることに加えて、その個人の生命に関わる最も基本的な情報とされる「バイタルサイン」に異常がないかも、定期的に確認したいところです。一般にこの「バイタルサイン」は、脈拍、呼吸、血圧、体温の4つの生体情報とされ、ここのチェックから問題が見つかるケースもあります。
血圧や体温は、普段から測定して、主治医に相談しながら、おかしな値になっていないかを確認します。脈拍については、毎分50~60回(正常)から大きくズレていないかを確認します。また、呼吸については、毎分15~20回(正常)から大きくズレていないかを確認してください。もちろん、これらは目安にすぎず、個人差もあるので、常に医師の意見を聞く必要があります。
問題となるのは、介護サービスによる生活支援を受けたほうがよい状態になっても、家族も本人も気づかないという場合です。この場合、予防がきかず、必要になる介護レベルがどんどん上がってしまい、気がついたときには改善も難しい段階に至ってしまったりします。
実際に、かなりつらい状態になっていても、被介護者となる人は、年齢のせいだと思って頑張ってしまいがちです。体の不調は、被介護者が我慢してしまうと、家族でも気づきにくいものです。特に体の不調よりも分かりにくい認知症は、本人も家族も、年齢による物忘れと思いがちです。もちろん、年齢とともに物忘れは多くなりますが、度を超した物忘れは何かのサインと捉えたほうがよいでしょう。
「認知症などという病気はない、自然な老化現象なのだから、周りが自然に接することで深刻なことにならずにすむ」という人もいます。確かにそういう面もありますし、認知症と診断された人も、周囲の接し方しだいで症状が軽くなることは良く知られています。
しかし、いつも周りに人がいるとは限りません。ガスの消し忘れや出かけたまま自宅に戻れなくなるなど、危険なこともおこります。介護が必要なサインを見逃さなければ、本人も家族も安心できるのではないでしょうか。
家族のようすが「ちょっとあぶないかな」と感じたら、介護を受ける人の住む市区町村役所の「介護支援課」や「介護福祉課」に電話で問い合わせてみることをおすすめします(市町村の担当部署の名前は統一されていないので注意してください)。このとき、地域包括支援センターを紹介されるかもしれませんが、どちらでも要介護認定の申請について説明してもらえるはずです。
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