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男性こそ、自分が介護の主体となった時のシミュレーションをしておくべき。

男性こそ介護の主体として

自分の両親、叔父・叔母の中から、要介護者が出てくる

両親だけでなく、叔父・叔母にまで対象を広げてみたとき、この中から、10年以内に介護が必要な人が出てくるという人は多いはずです。自分では(ほとんど)どうしようもないことではあります。

それは、父親の介護を母親がしたり、逆に母親の介護を父親がするといった老老介護からはじまるかもしれません。しかし、老老介護は、そもそも衰えている親に、介護という重労働を任せるということです。それが長続きしないということも、よくあります。

典型的には、介護をしているほうの親が「子供に迷惑はかけられない」と無理をしすぎて、倒れてしまうというケースです。結果として、両親ともに要介護者となり、「そんなに無理をさせるなら、もっと早くから介護に関わっておけばよかった」ということにもなりかねません。

叔父・叔母も、独身者だったり、子供がいなかったりすれば、介護を頼まれることもあるでしょう。叔父・叔母の場合は、甥っ子・姪っ子に介護を頼むのは気がひけるので、ギリギリの状態になるまで強がってしまい、かえって介護の対応が遅れることもあります。

介護対応の遅れは、後の介護を大変なものにしてしまう

介護の鉄則は、要介護の状態を重くしないことです。そのためには、介護が本格的に必要になる前から予防をし、介護が少しでも必要になったら即座に対応する必要があるのです。しかし、先の両親のケースでも、後の叔父・叔母のケースでも、高齢者が無理をしてしまうことは、本当によくあります。

まだ大丈夫かなと思っても、早めに介護リスクを知っておきたいです。介護リスクを知るためには、色々な方法があるのですが、一番簡単な方法は、相手の「歩行速度」を見ることです。「歩行速度」が落ちてきたな、と思ったら要注意です。

青信号で横断歩道を渡りきれない場合は「歩行速度」が 1m/s(1秒間に1m進む)を下回っている状態です。これは、身体の筋肉が相当衰えてきており、車イス生活や、寝たきり生活になるリスクが高まっていることを示しています。

専門用語では「フレイル」と言って、健康な状態と、要介護状態の中間的な位置にある可能性があるのです。これを早めに察知できれば「フレイル」から抜け出すためのトレーニングを行っていけば、また健康な状態に戻れる可能性もあります。

それでも、なんの対応もしないケースのほうが多い

なんとなく「危ないかな?」と思っても、問題を先送りしてしまうのが人間だったりします。実際には、仕事が忙しくて、対応できないということもあるでしょう。しかし、そうなると、フタを開けてみたら、介護生活どっぷりということが起こります。

ここで、大きな誤解があるので注意してください。「介護は、妻に任せておけばいい」という、男性ならではの考えです。こうした考えは、そもそも、完全に過去のものです。時代が大きく変わっていることを意識しないとなりません。

現在の現役世代は、高齢者世代よりも人数が少ないというところから、理解を進めるべきです。要するに、今は、現役世代1人あたりの高齢者の数が多いのです。妻にも両親や叔父・叔母がいるのです。また、妻も仕事をしているケースが多いでしょう。

そうなると、どうしても男性だから、家長だからということで、介護をしなくてよいということにはならないのです。昔は、現役世代よりも高齢者のほうが少なかったし、専業主婦も多かったし、現役世代に兄弟姉妹もたくさんいました。こうした背景から、稼ぎ頭は介護から遠ざかることができたのです。

会社の介護支援制度を調べておこう

せめて、今働いている会社の介護支援制度を調べておきましょう。立派な制度があれば安心ですが、中小企業の場合は、そもそも、なんの準備もされていないことも多いと思われます。

こうした場合は、自分から率先して、会社内に、介護支援制度を構築しておく必要があります。具体的に何をすればよいかわからない場合は、会社と契約をしている社労士に相談するのが早いでしょう。

介護は、突然はじまることが多いものです。それこそ、今日からはじまるかもしれません。そのとき、会社を休めますか?法律では、介護休業というものがあって、それを取得できることにはなっています。しかし、現実的に、休んでしまって大丈夫でしょうか。

自分が介護の主体となる日は、きっと訪れます。いざ、そのときが来てから慌てると、周囲に色々と迷惑をかけることになります。特に男性は、今のうちから、そのシミュレーションをしておくべきでしょう。
 

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