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認知症の介護をしている場合、介護の負担はとても大きくなります。実際に認知症の介護をしている人は、この大きな負担の中で、できることを精一杯やっていると思います。ギリギリの状態であれば、もはや、仕方がないということもあります。
しかし、認知症の介護で「やってはいけないこと」とされることを、そのまま実行してしまっているケースを見かけることがあります。多くは、それを知っていても、そうせざるをえないのでしょう。
ただ、もしかしたら、知識としての認知症への対応を知らない可能性もあるかもしれません。実際に、そうした知識が伝える「理想的な対応」ができるかどうかは別の問題として、今回は、そうした常識的なことをまとめてみます。
認知症の要介護者への対応として「やってはいけないこと(禁止事項)」として知られていることを、各種文献を参考に、以下に列挙してみます。繰り返しになりますが、最終的には、介護者にその余裕があるかどうかによって、対応できることとできないことがあります。あくまでも参考としてください。
(1)上から目線での指示・命令はしない
(2)できないこと責めたり、非難したりしない
(3)要介護者が嫌がることを無理やり押し付けない
(4)大きな危険がなければ、行動を制限しない
(5)要介護者が失敗しても、怒ったりしない
(6)要介護者を否定するようなことは言わない
(7)何もわからないからと、無神経な対応をしない
逆に、少しでも余裕があれば「こうすべきこと(奨励事項)」として知られていることを、同様に、以下に列挙します。
(8)こちらが誰だかわからなくても、少しずつ関係を築く
(9)何度も同じことを聞かれても、毎回きちんと答える
(10)意味がわからなくても、時間をかけて話をきく
(11)聞こえるように、こちらの声の大きさに配慮する
(12)相手のためでも「お願いします」と言う
(13)なんとか、一緒に笑い合える機会を生み出す
(14)相手から「安心できる人」と思われることを目指す
いろいろと取り上げてきましたが、要するに、いかに「どうせ、なにもわからないだろう」と思っても、相手を子供扱いしないことが基本になります。現実には、知っていても、禁止事項を行ってしまい、奨励事項を行えないというケースも多いと思います。
これらは、知識として認識しておくべきことです。ですが、こうした知識が、かえって自分の介護に対する自信をなくさせてしまうとするなら、よくありません。完璧な介護などないのですから、その点については、気楽に行きたいものですね。
※参考文献
・日本訪問看護財団, 『在宅認知症者のステージごとの生活障害と行動・心理症状に応じたケアガイド』, 2014年3月
・国際長寿センター, 『case4/認知症』, roadmap
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