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外国人頼みの介護業界は、長続きしない

外国人頼みの介護業界は、長続きしない

日本の方が給与が高いことが大前提

外国人労働者を迎え入れ、介護業界の人手不足を解消しようとする流れがあります。最近では、そうした外国人に、リーダーやマネージャーとしての活躍も期待されているという報道もありました。ただ、こうした外国人労働者を活用しようとする流れは、それほど遠くない未来に成立しなくなります。

理由は簡単で、外国人労働者の母国となっている東南アジアの国々は給与を含めた物価が急上昇しているのに対して、介護業界の待遇は遅々として改善しないまま、ほぼ、日本で最低の待遇になってしまっているからです。わざわざ、母国よりも賃金の安い日本で働き続ける外国人はいないでしょう。

このままいけば、同じ介護の仕事でも、日本よりも東南アジアの母国で就職した方が、より高い賃金が得られる日は、そう遠くないでしょう。特に、マネージャーの給与は、すでに東南アジアの方が高いというケースも増えていきており、この点に関してはすでに絶望的です。

東南アジア各国の賃金は上がり続けている

東南アジア各国の賃金がこのまま上昇を続けたら、今度は、日本から外国に出稼ぎにいく人が増えていきます。特に介護は人手不足ですし、介護業界の待遇はいつまでたっても改善しないとなれば、他に選択肢がないという人も増えていきます。

人は足りないのに、介護を必要とする人は多すぎるという日本の現状は、放置しておけば、大変なことになります。しかしこの解決策として、東南アジアから安価な外国人労働者を受け入れるという現在の戦略は、賞味期限が短いということを覚悟すべきです。

介護ロボットの実用化が、この人手不足を補うことが間に合わない場合、本当に、介護を受けられないがために亡くなってしまう高齢者が続出することになります。ですが介護ロボットの実用化は、まだまだ先と考えた方が良さそうです。何か抜本的な手を打たないと、大変なことになります。

根本的な解決は介護業界の待遇改善しかない

介護を必要とする高齢者が激増することはわかっていたことです。それを担う介護業界が人手不足になることもわかっていたことです。この人手不足を補うための自動運転技術や介護ロボットの実用化が間に合わないこともわかっていました。

この根本的な解決は、2025年には500万人にもなるという社内失業者(正社員として職は得ていても実際には仕事をしていない人)を、介護業界の人材として迎え入れることです。しかし、介護業界の待遇は日本で最低レベルということもあり、こうした業界をまたいだ転職活動は進んでいません。

つまり、介護業界の待遇改善が必要なのです。介護業界の待遇が改善されたら、国内での人材確保が進むだけではありません。外国人労働者の受け入れも楽になるだけでなく、滞在してくれる時間も長くすることができます。

Xデイは介護業界から始まる

介護業界の待遇改善が進まない場合、日本で最低レベルの待遇になってしまっている介護業界は、先に述べた理由から、外国人を採用できなくなるでしょう。そうなると、圧倒的な人手不足から、介護が受けられず、亡くなってしまう高齢者も増えます。

こうしたニュースは「日本ではとても暮らせない」という印象を、世間に広げてしまいます。また、東南アジアの安価な外国人労働者よりも待遇が悪いという状況は、いよいよ介護業界の人材を怒らせ、日本から出て海外でその専門性を発揮する介護のプロが増えていくことになります。

そうして、日本では満足な介護が受けられないという話になれば、日本から脱出する現役世代も増えるでしょう。そうして日本に残されるのは、介護を受けられない多数の高齢者です。これはどこか、人材を東京に奪われ続けた地方の衰退と似ています。これが杞憂であることを祈るばかりです。

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