閉じる

75歳以上の医療費の自己負担割合、2割の時代まであと少し

75歳以上の医療費の自己負担割合、2割の時代まであと少し

75歳以上の医療費の自己負担割合

現在、75歳以上の高齢者(後期高齢者)の場合、介護サービスなどの利用にかかる費用は、自己負担割合1割で利用できることになっています。1万円かかる医療を利用するのに、1,000円で済むということです。

医療が必要になる割合は、75歳以上になると、急に高くなることが知られています。当たり前の話ですが、高齢化が進むと、その分だけ、医療を必要とする人も増えるということです。

その意味で、75歳以上の医療における自己負担割合を上げるということは、かなり多数の人々の家計を圧迫する結果につながります。逆に言えば、ここの自己負担割合を上げれば、その分だけ、国の財源は助かるということです。

自己負担割合を1割から2割に引き上げる

この75歳以上の医療の自己負担割合を、現在の1割から2割、そしていずれは現役世代と同じ3割にしたいというのが、国の本音です。そもそも現役世代だけが、重い負担を強いられることには国民の間でも強い不公平感があります。

ただ、医療を必要とする高齢者からすれば、1割から2割への変化でも、医療費が2倍になるということを意味します。それが3割ともなれば、受けたい医療が受けられない高齢者も増えるでしょう。以下、毎日新聞の記事(2019年9月9日)より、一部引用します。

大企業の健康保険組合で組織する「健康保険組合連合会」(健保連)は9日、75歳以上の後期高齢者の医療費の自己負担額を今の1割から2割に引き上げる政策提言を発表した。団塊の世代(1947~49年生まれ)が後期高齢者になる2022年から医療費がさらに膨張するため、政府に改革を求める。

健保連の試算では、会社員の給料に占める医療、介護、年金の社会保険料の割合が、健保組合の平均で19年度29%から22年度30%、25年度31%へと上昇する。高齢者の医療費や介護費を支えるため、現役世代が負担する額が増えることが主な要因だ。(後略)

結局は現役世代が支えることになる

こうして高齢者の医療における自己負担割合が上がると、高齢者は2つの選択をするようになります。1つは、受けたい医療を我慢するという選択です。これは、短期的には国の医療費を削減するものの、我慢をした結果として病気が悪化すれば、国も個人も、返って高い医療費を支払うことにもつながります。

もう1つは、諦めて、値上がりした医療の自己負担割合を受け入れるという選択です。これは、国の医療費の削減には永続的に威力を発揮します。しかし、そうして自己負担分として徴収される医療費は、子供の目線からすれば、親の遺産になる可能性があるお金です。これは長期的には、現役世代の負担になります。

どの方向になるにせよ、自己負担割合が上がるということは、現役世代の負担も上がるということにつながります。そして今の現役世代が高齢者になるころには、自己負担割合が3割の時代になっているでしょう。どうしても、高齢化は、現役世代にとって大きな受難となりそうです。

※参考文献
・毎日新聞, 『健保連「医療費、75歳以上の負担2割に」 引き上げ政策提言を発表』, 2019年9月9日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由