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介護労働者が高齢化する背景

介護労働者が高齢化する背景

介護労働者の60歳以上が21.6%

日経新聞が、介護労働者の21.6%が60歳以上というデータを公表しています(2019年8月14日)。このデータは、以前から言われている介護労働者(特に在宅介護を担うヘルパー)の高齢化問題の全容を理解する人は、少し足りない情報です。

実際に訪問介護のヘルパーの平均年齢は58.1歳で、全体の51%が60歳以上というデータがあります。介護労働者とひとくくりにしてしまうと、同じ現実でも、見えてくることが異なるわけです。

今後、在宅介護が増えて行くことを考えると、訪問介護のヘルパーこそ、介護の主役となっていきます。介護労働者の高齢化は、そうした、最前線でこそ顕著になっていることは、より広く認識されるべきところです。

高齢者の雇用の受け皿となるか?

介護労働者は、今後も、高齢化して行くことが予想されています。その理由の一つは、現在、介護のプロとして仕事をしている介護労働者が歳を取るということもあります。しかしそれ以上に、ある意味で期待されているのが、働きたい高齢者が介護労働者になって行くということでしょう。

年金だけでは満足な老後には不足というニュースが話題になった通り、生活のために働きたいという高齢者は、今後も増えていきます。そうしたとき、慢性的な人手不足に悩む介護業界は、高齢者を積極的に採用していくようになる可能性が高いのです。

高齢者は、まず、高齢者の気持ちが理解できるという点で、大歓迎でしょう。人生経験という視点からの有利性も期待できます。それと同時に、体力的に厳しい労働には向かず、雇用するときは、労災に対しても十分な注意が必要になります。

教育訓練の拡充とロボット技術の実用化が必要になる

高齢者として人生経験があるということと、介護のプロとしての専門性があることはイコールではありません。今後、増えていくことが予想される高齢者の介護労働者に対して、介護に関する教育訓練の拡充が必要になってくることは疑えません。

また、体力的に厳しい介護についても、それを支援するようなロボット技術が欠かせないでしょう。現在の支援ロボット技術は、想定されるユーザーを高齢者に設定していない可能性もあるため、この点については、改修が必要になってくるかもしれません。

日本の高齢化は止まりません。この社会を維持するためにも、高齢者についての理解を進め、高齢者が働き続けられるような支援が必須となっていきます。そうした意味で、介護業界には、様々なヒントが隠されています。そうしたヒントを、どれくらい有効に活用していけるのかで、日本の未来は大きく変わっていくことになります。

※参考文献
・日本経済新聞, 『介護労働60歳以上が21% 事業所の67%人手不足』, 2019年8月14日

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