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熱中症を予測する?熱中症の注意報が出せる未来へ

熱中症を予測する?熱中症の注意報が出せる未来へ

熱中症への注意が必要です

高齢者になると、体内の保水能力が低下し、汗をかくべきところで汗が出ないといったことも起こり得ます。それにも関わらず、喉の渇きも感じにくいというのが高齢者の特徴です。こうした複合的な要因が重なり、結果として、高齢者は熱中症になりやすいのです。

今はまさに夏本番ということで、所々で、熱中症の注意喚起がなされています。それにも関わらず、熱中症で病院に運べれてしまう人のニュースもまた、同時に配信されているのが現状です。

そうした中、高齢者が熱中症になるときの条件をシミュレーションし、搬送者数を予測するモデルが開発されたようです。以下、朝日新聞の記事(2019年7月30日)より、一部引用します。

平均気温や発汗量などのデータから、高齢者の熱中症の搬送者数を予測する計算式を開発したと、名古屋工業大などのチームが発表した。(中略)東京、大阪、愛知の3都府県のデータと比べると、9割以上が計算結果と合致したという。

その結果、高齢者は当日の暑さだけでなく、前日、前々日の連続した3日間の暑さが影響していたことが判明。発汗量が最も関係していたという。さらに、夏の終わりの時期のリスクは梅雨明けに比べて半分程度だったといい、暑さに慣れていない時期の方が危険という。(後略)

熱中症の注意報は出せるか?

毎日のように「熱中症に注意してください」という警報を出すと、人々は、そうした警報に慣れてしまいます。そろそろ、注意レベルのようなものが配信されるべきところにきているのではないでしょうか。

今回の名古屋工業大学の成果は、そうした、より詳細な注意レベルの配信に役立つものになりそうです。特定の日の気温が高いということだけではなく、3日間の気温だったり、発汗量だったり、夏の始まりなのか終わりなのかといった時期の問題だったり、状況によって注意レベルは変化するものだからです。

しかし「今日は、いつもよりも注意してください」ということを発信することには、リスクもあります。そうして特定の日だけ注意して、他の日には注意をしなかったことで熱中症になってしまえば、裁判沙汰にもなりかねないからです。

とはいえ、ただ「熱中症に注意してください」と叫び続けるだけでは不十分というのも事実です。高齢化と温暖化に伴い、日本は、これまで以上に熱中症への注意が必要な社会になっています。過去の延長線上とは違うのだという認識を持って、効果の高い対策を複合的に考えていく必要があります。

熱中症対策が、介護予防に悪影響とならないように

熱中症対策ということで、猛暑の日は、外出を控えることが当然の対策となるでしょう。しかし、これは介護予防という視点からは、マイナスの効果になってしまうことは否めません。外出を控えてしまうと、ただでさえ運動と刺激の足りない生活をしがちな高齢者が、フレイルから要介護になってしまいかねません。

そこで、デイサービスへの期待が高まります。デイサービスであれば、送迎の間は、車内のエアコンで対応できますし、デイサービスの施設内であれば、温度管理はもちろん、見守りも行き届くため、一人で自宅にいるよりもリスクが下がる可能性が高いからです。

場合によっては、デイサービスの保険外サービスとして、要介護ではない高齢者も、施設にきてもらうといったことを考えても良いかもしれません。自治体も、こうしたことに助成金をつけることを検討してみるべきでしょう。

とにかく、高齢者にとって、暑すぎる夏は、とても危険です。連日、熱中症による死者がニュースになりますが、本来であれば、こうした事故は防げるはずなのです。そうした事故防止に、今回のニュースにあるような、高度なシミュレーションが活用され、介護業界との上手な連携が進むことが望ましいでしょう。

※参考文献
・朝日新聞, 『高齢者の熱中症搬送数を予測 名工大など、計算式を開発』, 2019年7月30日

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