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急発進防止装置の費用を9割負担(東京都)

急発進防止装置の費用を9割負担(東京都)

高齢ドライバーによる運転事故問題

高齢ドライバーが運転事故を起こしてしまうことは、もはや社会問題となっています。そもそも自動車という乗り物は、簡単に凶器になり得る危険な乗り物でもあります。だからこそ、自動車メーカーとしても、自動車の安全性を高めるための努力を継続してきており、その性能は日進月歩で高まっています。

最新の自動車であれば、自動ブレーキや急発進を防止するような安全機能がついています。しかし、古い自動車に乗りつづけている場合、最新の安全機能も威力を発揮することができず、意味がありません。

こうした背景を受けて、東京都は、後付けで急発進防止装置を自動車に取り付ける時の費用の9割を負担することを決めました。以下、WEZZYの記事(2019年7月29日)より、一部引用します(改行位置のみKAIGO LABにて修正)。

東京都の小池百合子知事は、自動車の後付け急発進防止装置の設置にかかる費用を東京都が9割負担すると発表した。これは、高齢者ドライバーによるアクセルおよびブレーキの踏み間違い事故対策で、正式名称を「東京都高齢者安全運転支援装置設置補助制度」と言う。

対象は都内在住で運転免許証を持つ令和元年に70歳以上となる人で、装置を設置しようとする車が自家用車であるなどの要件があり、実施機関は7月31日から2020年の8月31日となる。(後略)

自治体ごとに対応がバラバラという状況をどうするのか

東京都以外でも、たとえば熊本県玉名市の事例など、自治体ごとに、この問題に対しては真剣に取り組んでいます。こうした動きは歓迎すべきものではあるものの、対応が、自治体ごとにバラバラになってしまっていることは問題です。

本来であれば、国レベルで、特定の安全機能を装備していない自動車が公道を走行することを(段階的に)禁止していくべきところです。そして、助成金を使うまでもなく、このコストは、自動車保険と同様に、自動車に乗る人が負担すべき当然のコストとしていくべきではないでしょうか。

注意したいのは、こうした機能は、高齢ドライバーにのみ必要なのではないということです。東京都などは、予算の関係もあって、70歳以上に限定しているのでしょう。しかし、自動車事故は、高齢ドライバーだけが起こしているわけではないのですから。

自治体としても、こうした本来のあるべき国の動きを待っている余裕がないので、それぞれに頑張っているというのが実情のように思います。対おが遅れてしまえば、その間にも、悲惨な事故が起こってしまうのですから、当然でしょう。先送りしてはいけない問題のはずです。

移動手段のイノベーション前夜にある

こうした社会問題は、大きなイノベーションが起こる前提条件でもあります。日本には「悲惨な事故を繰り返さない」という強い思いを持って技術開発に取り組んでいるエンジニアも多数います。なんとか、そうしたイノベーションを1日でも早く実現してもらいたいです。

同時に、そうした技術者たちの邪魔にならないよう、必要となる法整備や保険の設計もまた、遅れを取らないようにする必要もあるでしょう。また、自動運転技術のように、それが実現した場合、タクシー、トラック、バスといった交通手段をプロとして運転する人々が職を失います。そこへのケアも必要です。

さらに、イノベーションが完全に実現する前から、輸出の道筋を作っておくことも大事でしょう。イノベーションが実現してしまった後では、諸外国に真似されるばかりになりかねないからです。特許(およびその出願支援)はもちろんですが、各国との関税面などでの交渉も必要となります。

今の日本は、まさに、移動手段のイノベーション前夜にあります。そして、ここまで述べてきた通り、前夜のうちからやるべきことは多数あることは明らかです。なんとか、国が音頭を取って、真の意味での産官学の連携を成功させてもらいたいところです。

※参考文献
・WEZZY, 『高齢者事故の予防策に「自動車の後付け急発進防止装置」9割補助 必要な手続きは?』, 2019年7月29日

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