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マンションでの認知症をめぐるトラブルは大きくなっていく

マンションでの認知症をめぐるトラブルは大きくなっていく

マンションにおける認知症をめぐるトラブルは大きくなっていく

認知症に苦しむ人の数は急増しています。2025年には、軽度認知障害(MCI)まで含めて、1,100万人の人が認知症になります。そうした時代、特にマンションにおいて、様々なトラブルが増えていくことが予想されています。ニュースにならないだけで、すでに、この問題は顕在化していると言って良いでしょう。

こうしたマンションにおける認知症をめぐるトラブルというと、一般には、徘徊や暴力といったことを想像するかもしれません。しかし現実には、そうした徘徊や暴力に加えて繰り返しの問い合わせ、設備の破壊、不法投棄、漏水や失火といった、様々な問題が発生することがわかっています。

当然ですが、そうしたトラブルが多発するマンションは、販売価格が下がるだけでなく、入居者も減ってしまうということにつながります。入居者が減れば、管理会社などに支払う会費の徴収もままならなくなり、マンションにおける認知症トラブルは放置されることにもなりかねないのです。

マンションにおける具体的な事例から

こうしたマンションにおける認知症をめぐるトラブルの事例を、一般社団法人マンション管理業協会が発行しています(2016年12月1日)。以下、その中から、具体的な事例をいくつか簡単にピックアップしてみます。こうした事例を通して、マンションの管理はどうあるべきか考えて行かないとなりません。

・自宅のドアの鍵が開けられない、メールボックスの暗証番号を忘れてしまう
・管理会社に対して、自宅に泥棒が入ったという連絡を頻繁に行ってしまう
・ベランダで鳩に餌をやるようになり、ベランダを鳩の糞まみれにしてしまう
・ベランダから汚物(糞便)を外に投げ捨てるようになってしまう
・ゴミ屋敷化した室内で、ペットも放置されている状態にしてしまう
・昼夜を問わず徘徊し、近所のドアを強く叩いて回るようになってしまう
・管理組合の理事長が認知症になってしまい、活動に支障が出てしまう

こうした事例は、マンションで暮らす人はもちろん、管理会社にとっても厳しい問題です。何より、家族としても、親や親族がこうした状態になってしまえば、介護の負担が大きくなるでしょう。そしていつかは、自分自身もまた、認知症になるかもしれないのです。

マンション住民と管理会社の連携が必要

まず、こうした状態を早期発見し、家族と連絡をとった上で、専門家による介護を受けることから全てが始まります。素人が、勝手な判断で認知症と向き合うことはできません。そうしてしまえば、トラブルはより大きくなっていくことが明白だからです。

マンションは、多数の住民の連携によって、その資産価値が著しく上下するものです。まさに今後は、こうした認知症をめぐるトラブルへの対応次第で、そのマンションがどうなっていくかが決まります。

特にマンションの管理において強調されますが、認知症に苦しむ人が10人に1人となっていく時代においては、認知症とどのように共存していくかが、社会全体の鍵となります。そのためには、社会全体の認知症に対する理解と認識を高め、地域ぐるみでの積極的な関わりが求められることは明らかです。

※参考文献
・一般社団法人マンション管理業協会, 『マンションにおける認知症の事例と対応策』, 2016年12月1日

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