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ユマニチュード(Humanitude)の3分ルール

ユマニチュード(Humanitude)の3分ルール

ユマニチュード(Humanitude)

認知症の高齢者が、攻撃的になってしまったり、暴れてしまったりといったケースは、介護現場ではよくあることです。ただ、熟練の介護のプロは、そうした状況を生み出さないままに介護をすることができたりします。

そうした熟練の介護のプロが、具体的にどのような介護を行っているかは、誰もが知りたいことです。しかし、そうした熟練の介護のプロは、自分が行っている介護を、上手に言葉にすることができない(暗黙知も多いから)ということもあります。

そうした中、フランスで40年近く前に生まれた、ユマニチュード(Humanitude)という認知症介護の体系的な知識が注目を集めています。この内容については「日本でもずっと現場で行われてきた」といった批判もあるのですが、参考になるところも多いのも事実です。

合意の3分ルール

そんなユマニチュードには、認知症の人になんらかの介護をしようとして、3分以内に合意が取れなければ、一旦、撤退するという3分ルールがあります。科学的な根拠を背景にはしていませんが、フランスの介護現場における実践知として広まっています。

これは、しつこすぎる声がけを避けるためのノウハウのようです。結果として、介護をする人が、認知症の人からすれば「こちらの気持ちを尊重してくれる人」として認識される可能性が高まり、中・長期的には、良好な関係を基礎とした介護ができると考えられています。

介護をする人からしても、認知症の人から合意が得られな場合であっても、介護に対する自信を失う必要がありません。それを自分のせいにすることなく「3分でダメなら、また後で聞いてみる」という介護技術の問題として認識することができるからです。

言葉で理解するのは簡単だけど・・・

こうした3分ルールのようなものを、言葉で理解することは簡単です。しかし、現実として、わずか3分のうちに、例えば「入浴しましょう」という話について合意できるかというと、相手が嫌がっている場合は、なかなかうまく行きません。

では、ということで、入浴はまた今度というわけにもいかない事情がある場合もあります。そうした時、本当は誰もが本人の意思(この場合は入浴を嫌だと思っていること)を尊重したのですが、非常に難しいということにもなり得ます。

結果として、認知症の人が落ち着いてゆったりと暮らせることが重要です。ユマニチュードは、そのために提案されている実践知としての手法の1つです。ユマニチュードが法律なのではなく、あくまでも手法の1つという距離感で認識しておくと良いかもしれません。

※参考文献
・伊東美緒, 『特別な時間をとらず、いつでもどこでも、日常的なケアのプロセスで使える技術』, vol.20, No.4, 2015, 訪問看護と介護

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