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あなたは、夢をみますか?夢と認知症の関係

あなたは、夢をみますか?夢と認知症の関係

睡眠中の夢と認知症リスクに関係があるかもしれない

睡眠中に、よく夢をみる人と、あまりみない人がいます。よく夢をみる人は、レム睡眠と呼ばれる状態が長いことが知られています。これは、身体は休息しているのに、脳が起きている状態を示しています。このレム睡眠の長さと、認知症リスクに関係があるかもしれないという研究があります。以下、CareNetの記事(2017年9月15日)より、一部引用します。

睡眠中は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」を繰り返すが、このうち身体は休息しているが脳は覚醒していて急速に眼球が動いているレム睡眠の状態では夢を見やすい。このレム睡眠の時間が短いと、その後認知症を発症するリスクが高まることが、スウィンバーン工科大学(オーストラリア)のMatthew Pase氏らによる研究で示唆された。(中略)

Pase氏は「この研究では(レム睡眠と認知症リスクとの間の)因果関係について検証したわけではない。今回は関連が認められたに過ぎない」と強調。その上で、「レム睡眠の時間が長いことは、認知症によってダメージを受けやすい脳内での情報伝達に保護的に働くのかもしれない」との見方を示している。ただし、レム睡眠時間の短縮は、独立した認知症のリスク因子である慢性的なストレスや未診断の睡眠障害に起因している可能性もあると付け加えている。(後略)

睡眠の品質についての考え方はどうなるか?

一般に、睡眠の品質というのは、夢をみる時のレム睡眠(浅い睡眠)よりも、夢をみない熟睡状態を示すノンレム睡眠(深い睡眠)の長さで測定されることが多いのではないでしょうか。しかし、この研究が示しているのは、浅い睡眠として考えられているレム睡眠にも、なんらかの意味があるかもしれないということでしょう。

もちろん、引用した記事中にもある通り、これを持って、レム睡眠と認知症リスクの間の因果関係まではわかりません。背景には、レム睡眠を短くさせる要因があるはずで、その要因が、認知症にも関わっていると考えた方が自然でしょう。

同時に、人間に夢をみせているレム睡眠には(そしてもしかしたら夢をみるということにも)、ノンレム睡眠と同じか、それ以上の意味もあるかもしれないという点には、注意が必要でしょう。別の言い方をするならば、レム睡眠は、浅い睡眠ではないかもしれないということです。

進化論から睡眠を考えると不思議なことが多い

実は、睡眠というのは、科学にとって結構大きな謎です。そもそも生物にとって睡眠は、危険な行為です。寝ているところを捕食者に狙われてしまえば、逃げようがないからです。実際に、寝ているときに、捕食者に襲われて命を落とした生命は数知れないはずです。

しかし、そうして寝ているうちに死んでしまった個体も多いはずなのに、進化上、それなりに長時間、寝る個体だけが生き残っています。これはとても不思議なことです。睡眠には生存上、大きな意味があるとしか考えられないでしょう。しかし、その意味がなんなのかを突き止めることは難しいのです。

今回のレム睡眠の件も、もしそれが少なければ少ないほどに良いのであれば、進化上、そうなっているはずです。しかし、淘汰を乗り越えてレム睡眠も残ってきたことを考えると、そこには必ずなんらかの意味があるはずです。それがもしかしたら、認知機能の維持かもしれないという仮説が成立するかもしれないという、そんな話です。

※参考文献
・CareNet, 『夢を見ない高齢者は認知症リスクが高い?』, 2017年9月15日

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