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男性は自分の介護を奥様にお願いしたい、女性は子供にお願いしたい

男性は自分の介護を奥様にお願いしたい、女性は子供にお願いしたい

男性の過半数が奥様に介護をお願いしたい

「介護を頼みたい人」という質問項目に対して、男性の場合は「配偶者」が最高(56.9%)になっています。これに対して女性の場合は「ヘルパーなど介護サービスの人」が39.5%と最も多い数字になっています。

ただ「介護を頼みたい人」として子供を挙げるのは、男性が12.2%なのに対して女性は31.7%と、少し意外な結果になっています。男性は奥様に、奥様は子供に介護をしてもらいたいと考えているわけです。

全体として、家族に依存せずに、介護サービスを自宅で受けたいという人は、男性の31.0%、女性の43.0%と、ここでも差が見られます。こうしたデータからも、男性の方が、家族を頼りにしているという現実が見えてきます。

母親が希望する子供の中身は?

介護離職をしてしまう人のうち、80.3%が女性であることがわかっています。ここから、先の、女性が、子供に自分の介護をしてもらいたいと考える時の子供とは、実質的に娘のことを指している可能性が高いと考えられるかもしれません。

実際に、要介護者から見た「主たる介護者」で最も多いのは「配偶者」で、全体の25.2%を占めています。次に多いのは「子供」で、21.8&です。そして、古い価値観になってきている「子供の配偶者(義理の子供)」というケースは9.7%にまで落ちてきています。

ここで問題だと感じるのは、こうした「主たる介護者」のうち、実に66.0%が女性であるという事実です。日本では、女性の方が男性よりも年収が低いため、介護にかかるお金のことを考えても、女性が介護をした方が家計的には有利なのかもしれませんが、それはそれで、困ったことになります。

女性の社会進出と母親の希望

女性の社会進出を妨げている原因には、様々なものがあります。特に「女性は家の中のことをする」「名字を変えたらその家のもの」「女性に外の仕事は向かない」といった古い価値観が最大の敵です。ただ、そうした古い価値観の中には、自分の介護を娘にお願いしたいという母親の希望もある(かもしれない)というところは、なんとも難しいです。

現在の高齢者が現役世代だった頃は、そうした古い価値観が当たり前だったわけです。自分たちも、義理の両親はもちろん、自分の両親の介護もしてきた人々です。そうして、いざ、自分が介護をされる番になったら、自分の子供は、自分を介護してくれないということには不満もあるはずです。

ただし、そうした古い価値観は「私物的わが子観(私物的子供観)」と言って、子供の権利を認めず、子供を自分のために動く物のような存在として捉えるものです。そうした時代を生きてきた人に「価値観を変えてください」というのは、難しいことですが、どうしても必要なことになりつつあります。

※参考文献
・内閣府, 『平成30年版高齢社会白書(全体版)』, 2019年6月

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