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労働力人口における65歳以上の割合と、高齢者による起業が急増中?

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仕事をする高齢者

仕事をする高齢者が増えているというニュースは、所々で見るようになりました。年金不安も高まっており、生涯現役といった考え方の浸透は、想像以上に進んでいるように思います。人材不足も手伝って、仕事をしたい高齢者にとっては好都合な市況も出来上がっています。

同時に、労働人口が減少し始める時代になってきており、労働人口に占める高齢者の割合が増えてきています。1980年には4.9%にすぎなかったのが、2017年には12.2%にまで増加しているのです。すぐに、5人に1人(20%)の労働者が高齢者になるところまで到達しそうな勢いです。

特に男性は、60代後半になっても、過半数が働いています。仕事があり、社会との接点が維持されている状態は、むしろ、健康にとっても好ましいことなので、仕事を持っていない女性(60代後半の女性では34.4%)の方が少し心配です。

非正規労働者の割合が多い

とは言うものの、仕事をする高齢者の多くは非正規労働者です。55〜59歳で12.2%になっている男性の非正規労働者の割合は、60〜64歳で52.3%、65〜69歳で70.5%にもなります。女性はもともと非正規労働者であることが多く、55〜59歳で60.8%、65〜69歳で80.8%です。

もちろん、本人が非正規労働者であることを望んでいる場合、それでも良いとは思います。ただ、それこそ介護だったり、自分の体調だったり、本当は正社員として労働したいのにできない人がここに含まれていることも当然のことでしょう。

実際に、高い就労意欲を持っている高齢者は全体の約8割にもなるそうです。ここには、雇用のミスマッチがかなり存在していることは疑えません。ある意味で、年齢差別が存在しており、高齢者だと、正社員になりにくいということもあるのでしょう。

活性化する高齢者の起業

そうした背景は、高齢者が起業するという新しい流れを生み出しています。1979年には、60歳以上の起業は全体の6.6%にすぎませんでしたが、2012年には32.4%にまで成長しています。高齢者が起業をし、高齢者を正社員として雇用するという道が生まれつつあるわけです。

起業というと、若者が行うように感じられるかもしれません。しかし実際には、様々な経験と人脈を持った高齢者の方が、起業のチャンスさえつかめたら、成功の可能性もあるはずです。高齢者の場合、確かに新しい技術の習得などは難しいかもしれません。しかし特に豊かな人脈については、高齢者に一日の長があるでしょう。

とはいえ、起業にはリスクもつきものですから、おいそれと誰にでもすすめられることではないのは当然です。ただ、金融市場と上手に向き合うことでリスクを正しく分散させられたら、高齢者による起業は、日本の新しい希望になりえます。そのための支援を、大手の金融機関が始めたりすれば、面白いことにもなるかもしれません。

※参考文献
・内閣府, 『平成30年版高齢社会白書(全体版)』, 2019年6月

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