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介護離婚の話題が、週刊誌などで取り上げられる時代に

介護離婚の話題が、週刊誌などで取り上げられる時代に

介護離婚が現実的な話題になってきた

介護業界に近いところで仕事をしていると、介護離婚は、意外と聞く話ではあります。よくあるのは、義理の両親との同居を強要された妻が、介護までやらされ、それに対する感謝もないという状況で、夫への報復として介護離婚をしたといった話です。

とはいえ、そうした話は「義理の両親との同居の強要はダメ」「妻にはちゃんと感謝しないとダメ」「介護の負担は夫婦で分散しないとダメ」といった、本当に伝えたいテーマの材料として語られることがほとんどです。本当に、そうした介護離婚があったのかどうかは、統計があるわけでもないので、そうした話からだけではわかりません。

現実の介護離婚は、カテゴリーとしては熟年離婚になり、多くの場合、女性にとって不利な内容になることが多いのです。受けられるはずの財産分与も受けられず、たとえ受けられたとしても老後を安全に生きられるような高額になることも稀です。介護離婚をするからには、それなりに金銭的な準備が必要になります。

女性自身に介護離婚の話題が取り上げられた

創刊から60年以上も続いている女性向け週刊誌『女性自身』(光文社)で、介護離婚の話題が取り上げられています。それだけ、介護離婚を考えている女性が多いということなのでしょうが、なかなかに、生々しいです。

その中身は、介護離婚をする場合は、それなりにお金がかかること(引っ越し費用や調停費用として160万円など)が示されています。また、年金も10万円程度にしかならないし、介護の丸投げについて慰謝料を請求しても取れないといった、かなり具体的な話になっています。

逆にいえば、介護離婚を思いとどまる理由はお金しかないといった論調になっており、実家に資産のある妻の場合は、どんどん介護離婚してしまいそうです。男性誌では、介護を任せると妻に逃げられるといったことが話題になることは少なそうなので、世の男性は、もう少し危機感を持つべきかもしれません。

妻は夫の所有物ではないということが伝わらない

妻は夫の所有物ではありません。しかし、日本ではまだ夫婦別姓が認められていないように、妻が夫の家に入るといった考え方が残っています。そうした考え方は、多くの男性にとっては都合が良いということなのでしょう。そして、そうした都合の良いことの最たるものが、自分の両親の介護を妻にやらせるということです。

しかし時代は変化しています。夫がどう考えているのかはともかくとして、妻は、自分が夫の所有物であるとは考えていません。それが、女性週刊誌における介護離婚の話題として現れたりしているわけで、これから、大介護時代に突入する日本では、深刻な問題に発展してしまいそうです。

現代は、自分の親の介護は自分でやる時代です。そもそも妻にも両親があり、その両親にも介護が必要ともなれば、夫の両親の介護まで手が回らないのは普通のことです。また、専業主婦は極端に減ってきており、そうした介護のための時間が物理的に捻出できないということもあるでしょう。

親がなんと言っても親の介護はプロに任せる

親が嫌がったとしても、親の介護はできるだけプロに任せていくべきです。そのために、40歳以上の人は介護保険を支払ってきたのです。介護保険は保険ですから、それが必要になったら、使うことができます。介護保険を使い倒すことで、介護離婚は避けることができるはずです。

もし、夫婦に時間があるなら、その時間は介護ではなく、2人の人生を楽しむためにこそ使うべきです。もちろん、そうは言っても、介護に時間が取られてしまうことも現実には多いでしょう。それでも、本当はこの時間は夫婦で使うべき時間だという認識がなければ、正しい感謝をすることさえできなくなります。

「まさか自分が」という人が多いのは正常性バイアスです。離婚の17%は同居期間が20年以上の熟年離婚となっています。長年一緒にいるからと言って、夫婦関係は安泰というわけではないのです。特に介護をめぐる考え方の相違は、大きな火種になることを認識しておく必要があるでしょう。

※参考文献
・女性自身, 『「介護離婚」は妻にとって甘くない…準備すべきお金を知ろう』, 2019年6月7日

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