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介護について知る機会がなさすぎる問題

介護について知る機会がなさすぎる問題

ライフプランと介護

自分がどのように生活していくのかというライフプランは、誰にとっても重要なものです。はっきりとしたライフプランではなくても、感覚であっても、だいたい何歳くらいで結婚して、どこにどのように暮らし、老後はどうするのかといったことは、誰もが何らかのイメージを持っているでしょう。

問題は、そうしたライフプランの中に、親の介護や、自分自身の介護を入れているケースがほとんどないということです。あくまでも実感値にすぎませんが、親の介護について漠然とした不安を持っている人は多くても、具体的にそれをイメージしていないように感じられるのです。

ライフプランとしては、親の介護に10年、そして自分自身の介護に10年といった期間を想定する必要があります。そして、介護にかかる費用の平均は月額7万円程度ですから、10年にすると840万円もの資金が必要になります。かなりの大金です。

どうして介護について考えることができないのか

子育てであれば、自分自身にも子供時代があり、親(または親に代わる人)に育てられた経験があります。子供を育てるとはどういうことか、大人であれば、それなりに知っていますし、自分なりの意見も持っているでしょう。

しかし介護となると、まず、現役世代の人で、自分自身が介護された経験を持っている人はほとんどいないでしょう。現役世代で介護された経験がある人というのは、たとえば過去に大きな病気でもして、しばらく入院し、その後自宅に帰って回復の期間を介護されることで乗り越えたといった場合です。

直接的に介護されたことがない人がほとんどということは、それが必要なものだという実感を持っている人が少ないということでもあります。ライフプランで、なかなか介護まで考えが及ばないのも、そうした実感がないからでしょう。

介護はある日突然に始まる

しかし、介護はある日突然始まります。病院から電話がかかってきたりして、親の入院といったことが、その始まりになることが多いと考えられます。多くの人にとってなんの実感もないばかりか、ライフプランとしても考えたことのない「事件」が起こるということです。

ライフプランがそうであるように、事前にイメージを持っていたら、そうした「事件」にも落ち着いて対応できるでしょう。介護の専門家にも人脈があり、いざという時のお金も確保できていれば、焦る必要もありません。

しかし、イメージが何もないと「事件」に振り回されることになります。入院の手続きだけでも大変ですが、退院後の介護について考えないと、退院後の親の面倒は、全部自分でやらないといけなくなります。親の自宅のバリアフリー化には、お金も時間もかかります。

介護について知る機会がなさすぎる

ほとんどの人のところに、介護はやってきます。しかし、ほとんどの人が、それに対して具体的なイメージを持てずにいます。介護について知る機会が、一般には、あまりにも少なすぎるのです。

行政も頑張っていて、全国各地で、介護セミナーが開かれています。しかし、そうしたセミナーに出席するのは、すでに介護についてイメージを持っている人ばかりです(だからこそ関心を持って出席する)。これは、本当に大きな問題だと思います。

ですから、なかば強制になっても、たとえば、40歳になった人は全て、介護について知る機会が与えられるべきだと思います。40歳からは、誰もが強制的に介護保険料を支払っています。その事実でさえ、知らない人が多数いるのです。

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