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仕事をやめたい?介護施設職員の64.5%

介護業界を離れたい?介護施設職員の64.5%

介護はやりがいのある仕事ですが・・・

介護業界の人々に話を聞くと、介護の専門職として仕事をして行くことに喜びを感じている人が多いことに気づきます。もちろん、そうではない人もいますが、多くは、介護をやりがいのある仕事としています。

しかし同時に、ほとんどの人が、介護業界の待遇の悪さについて嘆いています。「やりがい搾取」という言葉は、介護業界のためにある言葉だという意見も聞きます。待遇が悪いため、人が集まらず、慢性的な人手不足になります。結果として忙しすぎる状態になり、それもまた、嘆きの定番になっています。

そんな介護人材を対象としたアンケート調査(施設介護の職員3,920人)の結果「仕事をやめたいと思うことがある」との回答が、なんと64.5%にもなったのです(朝日新聞, 2019年4月22日)。誰でも、どこの業界でも、仕事をやめたいと思うことがあるのは当然とはいえ、この数字は多すぎます。

やめたい理由は大きく2つある

このアンケート調査は、そうして仕事をやめたいと思う理由についてもきいています。複数回答ですが「仕事がつらい、忙しすぎる、体力が続かない」(55.9%)が最多で、次が「賃金が安い」(39.9%)となっています。

ここで、仕事が忙しすぎるのは、そもそも介護人材が足りていないからです。介護人材の有効求人倍率は、東京では7.46倍という異常なレベルになっています。1人の人材に、7件以上のオファーがあるという状態なのです。面接にきてくれた人は、ほとんど全員採用するという話もよく聞きます。

とにかく待遇が悪い業界ですから、介護の需要はウナギのぼりなのに、なかなか人が採用できないのです。そうなると、どうしても、介護の専門職1人あたりの仕事量が増えてしまいます。それが結果として「仕事をやめたいと思うことがある」という回答につながっていると考えられるのです。

介護人材の待遇改善が急務

とにかく、介護人材の待遇改善が急務なのです。しかし、介護業界の待遇は、実質的に、国が決めています。つまり、悪名高い介護業界の待遇は、国の意思でそうなっているということです。これは、広げて考えれば、私たち国民の一人一人が、介護業界の待遇を決めているとも言えます。

自分や自分の配偶者、自分の親に介護が必要になったとき、介護の専門職による支援が受けられない場合、本当に困ることになります。仕事は続けられませんし、かといって、収入がなければ生きていけません。生活保護も、それを受けるのは、日本では容易なことではありません

さらに悪いことに、介護人材は、在宅介護の方からいなくなって行く可能性も指摘されています。介護人材の高齢化が進んでおり、特に、在宅介護のヘルパーの過半数が60歳以上という状況なのです。あと10年もすれば、こうしたヘルパーの多くが退職することは避けられません。なんとしても、介護人材の待遇改善と人材確保を進めないとならないのです。

※参考文献
・朝日新聞, 『介護職員「やめたい」6割 「仕事つらい」「賃金安い」』, 2019年4月22日

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