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一人暮らしの老後が当たり前の時代に

一人暮らしの老後が当たり前の時代に

国立社会保障・人口問題研究所

国立社会保障・人口問題研究所は、日本の人口問題に対する基礎研究を行いつつ、政策の策定に資する情報提供を行う、国の機関です。この国立社会保障・人口問題研究所が、最新のデータをもとにして、日本の世帯数についての将来予測を発表しています(2019年推計)。

この発表で、介護に関連がありそうなのは(1)2030年には世帯主65歳以上の割合が全ての都道府県で30%以上になる(2)2040年には世帯主65歳以上のうち単独世帯の割合が全ての都道府県で30%以上になる(3)2040年には世帯主75歳以上の割合が東京都以外46道府県で20%以上になる、といったあたりでしょう。

要するに、今後、一人暮らしの高齢者が激増し、それが当たり前の社会になるということです。先日取り上げた通り、ひきこもりの原因になるのは、仕事をしなくなることでした。仕事をしなくなるだけでなく、独居という状態になれば、介護リスクは上がります

高齢者が高齢化している

高齢者とはいえ、65歳と100歳では、親子以上の差があります。子供が、高齢の親と祖父母を同時に介護するというマルチケアのケースも増えてきています。高齢者が、高齢化してきているのです。

単独世帯が増えるという背景は、生涯未婚の人が増えているということもあります。しかし、高齢者が高齢化すると、配偶者に先立たれる人も増える結果として、単独世帯が増えるのです。今回の発表は、高齢者の高齢化が、そのまま、反映されていると考えることができます。

そうした高齢者は、いわゆるニュータウンに暮らしていることも多く、単なる単独世帯というよりは、孤立した単独世帯にもなりかねない状況です。そうした状況では、介護の手も届かなくなる可能性が高まります。孤独死の増加も止められなくなるでしょう。

イギリスの孤独担当大臣

イギリスでは、こうした問題が深刻に認識されており、孤独担当大臣が設置されています。高齢者の孤独だけではありませんが、そもそも、本当の問題は、人が高齢化することではなく、人が様々な理由から孤独になることだと考えた方が正しいくらいでしょう。

過疎化する地域に暮らす高齢者の世帯の中も、過疎化していきます。そうなると、高齢者が点在することになり、介護などで訪問するときの支援の効率はかなり下がってしまいます。では、強制的にどこかに移住させられるかというと、思い出の詰まった地域や自宅を離れるのも苦しいのです。

事実、移住には、心身の負担がかかり、リロケーションダメージが発生します。若ければ、そうしたダメージを克服し、新たな環境にも馴染めるものです。しかしそうも行かない高齢者の場合、包括的で実効性のあるプランの実行が求められます。

※参考文献
・国立社会保障・人口問題研究所, 『日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)』, 2019年4月19日

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