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高齢ドライバーの無料教習(佐賀県警)

高齢ドライバーの無料教習(佐賀県警)

完全な自動運転の実用化にはまだ時間がかかる

高齢ドライバーによる自動車事故は、いくつかの悲しい事故を通して、社会問題になってきています。こうした流れを受けて、運転免許の返納が進んでいます。同時に、生活のためにどうしても運転することが必要という地域もあり、運転免許の返納にも限界が見えてきました。

本当は、自動運転の技術が実用化され、高齢者でも安心して自動車を使えるようになれば良いのです。しかし、完全な自動運転(レベル5)の実用化には、まだしばらく時間がかかりそうです。様々な意見がありますが、完全な自動運転が実現するのは2030年ごろではないかと考えられます。

そうなると、まだしばらくは、大きな不安を抱えながら自動車を運転する高齢者が存在してしまいます。これに対してできる具体的な対策は、高齢ドライバーの教育しかありません。佐賀県警は、そんな高齢ドライバーの教育を無料で行うことを決定しています。

佐賀県警によるイニシアチブ

高齢ドライバーの問題を真剣に考えた佐賀県警による、高齢ドライバー教育のイニシアチブが、SAGATVにより報道されています。以下、SAGATVの記事(2019年4月5日)より、一部引用します。

高齢ドライバーの安全運転を支援しようと、県警は5月下旬から佐賀市にある運転免許試験場で、70歳以上を対象にした無料の技能教習を始めます。(中略)試験官が結果に応じて「曲がる合図が遅い」「ハンドルを切るのが早い」など具体的にアドバイスします。(後略)

決して派手なソリューションではありませんが、こうした地道な活動が、事故を減らすことに貢献するのは間違いありません。できることをコツコツとやるのは、とても大事なことですが、意外と忘れられがちなことでもあります。

日本全国で広がってほしい

実は、高齢ドライバー向けの教習は、日本全国の自動車学校で行われています。ただ、その多くは有料のため、お金に不安のある高齢者は、教習を受けることをためらうでしょう。しかしそんなためらいが、将来の悲しい事故に繋がってしまうのです。

であれば、こうした教習にかかる費用を自治体(警察)の予算から捻出するようにすれば良いはずです。税金の使い方としても、正しい方向だと思います。もし、自治体で予算が足りないという場合は、国が出しても良いでしょう。

人間には、自分だけは失敗しないという「正常性バイアス」と呼ばれる心理的な特徴があります。高齢者になるまで、一度も事故を起こしたことのない人は、かえって、自分の運転能力を過信してしまう可能性もあるのです。

そうした高齢者にとって、無料で運転教習を受けて、危ないところを客観的に指摘してもらえる機会は貴重です。今後も事故のない人生を送れる可能性を高めるためにも、各自治体には、是非とも検討してもらいたい対策です。

※参考文献
・SAGATV, 『高齢者の運転支援 県警が”無料教習”』, 2019年4月5日

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